A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 アドバタイザー

A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情

大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

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米広告主協会調査:ブランド構築の傾向は?

米広告主協会(ANA: The Association of National Advertisers)が、会員社を対象にブランド構築に関する調査を行った。フィールドワークはマーケティング・サービスのmktg社に委託して今年4月、同協会のブランド・マーケター・リーダーシップ・コミュニティのメンバーを対象にオンライン調査を実施、129社のマーケティング責任者が回答した。

この調査によると、最近6ヶ月間の傾向として回答者のおよそ3分の2は、いまの経済情勢に対応するため、経費節減など短期的戦略に重点をおいていると答えているが、不況を脱し景気が上向いてきた場合の見通しをたずねると、以下のような結果が得られた。
▶ 媒体予算を増やす 68%
▶ ソーシャル・ネットワークや口コミ(word-of-mouth)への取組みを増やす 41%
▶ 革新/テスト/研究のための予算を増やす 40%

ブランドの健全性(ブランド・エクイティの増減)を測るもっとも効果的な目安としては、「顧客の経験/満足度」を挙げる人が前回調査(2007年2月)の37%から48%に増える一方、これまで重視されてきたブランド・イメージや認知度を挙げる人は減少した。また、ブランド弱体化の兆候を見る手段としても、顧客のブランド転換/リピート率(70%→78%に増加)、ブランドを「優秀」と評価する顧客の割合(68%→77%に増加)など顧客関連の指標を挙げる人が前回調査より増え、顧客重視の傾向が顕著になった。

さて、肝心のメディア評価だが、ブランド・エクイティ構築に効果的なメディアとしてトップに挙げられたのはテレビだった。しかし、テレビを挙げた人の率は前回調査と比べると80%から64%に急減している。同様に、旧来メディアは以下のように軒並みスコアを落とした。

▶ 雑誌 67%→51%
▶ ラジオ 36%→30%
▶ 屋外広告 35%→26%
▶ 新聞 36%→19%

対して、オンラインは61%、ゲリラマーケティング/口コミ/バズマーケティングは57%と、評価する人が増えている。新聞は2年前にして既にかなりの低評価だが、いまや効果的なメディアとして挙げる人が5人に1人に満たないという凋落ぶりだ。

米国では新聞社の破産や不振を伝える報道が頻繁になされているから、心理的な影響もあるのだろう。また、この調査に答えた広告主の業種が明らかにされていないが、当然のことながら一般消費財と高級ファッションブランドとでは、回答に大きな差があるはずだ。したがって、この調査結果だけで大騒ぎするのは危険だが、全体としては新しいマーケティング手法に広告主の関心が向いているのは確かなようだ。

◆情報ソース
ANA Press Release
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旧来型のブランディングは破たんしている

ブランディング・コンサルティング会社Verse Groupと調査会社Jupiter Researchは、年間売上2億5千万ドル以上の米国企業のCMO(Corporate Marketing Officer)をはじめとするマーケティング意思決定者(マーケティング担当バイス・プレジデント、マーケティング・ディレクター、マーケティング・マネジャー)101名を対象に調査を行った。その結果、回答者の87%は、ブランディング活動はこれまでよりもフレキシブルに行う必要があると考え、63%は旧来型のブランド・ポジショニングや広告は効果が低下しており「破たんしている」と判断していることがわかった。

その他のおもな調査結果は以下のとおり。

 回答者の62%は、旧来型の広告は新規顧客を獲得する上で、もはや以前ほどの効果がなくなっていると考えている。
 62%は、ブランド・ポジショニングよりも効果的な、画期的な方法を模索している。
 89%は、マーケティング活動は今日、これまでよりも厳密な査定の対象になっていると回答した。

また、2009年の優先事項としては、以下の項目が挙げられた。
1. 担当するマーケティング活動において、一定の計測可能なROI(対投資効果)を達成すること(50%)
2. オンラインと旧来型メディアを組み合わせたマーケティング計画の策定(43%)
3. 様々な消費者タッチポイント(ブランドと接する場)に応じたブランド経験の提供(32%)
4. 達成する目標は下げずにマーケティング予算を縮小すること(31%)
5. ブランド・ポートフォリオの最適化(26%)

さらに、以上の調査を通じて、1) 経営陣からのアカウンタビリティ(説明責任)の要請が高まり、マーケティング責任者は自分たちの活動の対投資効果を証明する、より大きなプレッシャーにさらされていること、2) 使用媒体のオンラインへのシフトが進むにつれ、多くのプラットフォームやタッチポイントで統一されたブランド経験を構築できるような、より優れたマルチ・プラットフォーム型のブランド管理が必要になっていることがわかった。

この調査は2008年11月1~10日の間、オンラインで行われた。対象となったのはB2B、B2C両方の様々な分野の企業で、72%は年間売上が10億ドルを超える大企業だった。

◆情報ソース
CMO Survey: Traditional Branding is ‘Broken’ (Marketing Charts)

百貨店の不調の原因は顧客のニーズとのずれ?

明けましておめでとうございます。
今年はメディア・広告業界にとって大変な年になりそうですが、その先の、新たな発展に向けての転換の年となることを祈りつつ、当ブログもできるだけマメに更新していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。


消費の落ち込みで百貨店が苦戦しているのは米国も日本も同じだが、米国で実施された第9回全米購買行動調査(National Shopping Behavior Study)によると、百貨店から消費者の足が遠のいている原因は、経済だけではなく消費者の欲求とのずれにあるのだという。

この調査によると、ほとんどの買い物をメーシーズ(Macy’s)などの百貨店ですると答えた人の割合は6%で、2000年の15%から大幅に減少している。また、年末・年始のホリデー・シーズンに百貨店に足を運んだ人の割合は2005年が63%、2006年が60%だったのに比べ、昨年の調査では57%、今回は51%と減り続けている。同調査を主催したCavallino Capital社のジョン・リッテンハウス(John Rittenhouse)会長の分析によると、百貨店不調の原因は以下のとおり。

◆多くの百貨店が、早い時期から顧客に足を運んでもらおうと、ブラック・フライデー(感謝祭=11月の第4木曜の翌日のことでショッピングが急増する)に照準を定め、宣伝攻勢と大幅なディスカウントを仕掛けたが、顧客はあまり早い時期に煽られるのを好ましく思わず、その結果、クリスマスと新年の間のビジネスチャンスを逃すことになった。

◆顧客は通常の価格に注意を払うようになっているため、セールや特売でことさらにディスカウントを大きく見せる施策が逆効果になった。今シーズンは、どの百貨店もディスカウントをあまりに強調したため、消費者はこれまでの価格に不信感を持つようになってしまった。

◆百貨店のシェアが落ち込んでいる最大の原因は、本来最も重視すべき富裕層を失っているから。百貨店はクーポン、lay-away(頭金だけで商品を取り置くサービス)、代金後払い、賞品キャンペーンなどに力を入れたが、こうしたサービスに惹きつけられるのは購買力のない顧客である。こうして逃した富裕層は、カタログ販売やオンライン・ショッピングで買い物をする傾向が強くなっている。

◆もちろん、経済状況の悪化もまちがいなく影響している。回答者の55%は、昨年に比べ買い物が減ったと答えた。対して、ホリデー・シーズンの買い物が昨年より増えたと答えた人は18%だった。店選びの動機にも変化が見られた。この調査が始まってから9年間で初めて、買い物をする店をスイッチする理由の第1位が「品揃え」ではなく「価格」になった。

とはいえリッテンハウス氏は、立地条件がよく利幅の大きい百貨店のビジネスモデルは破綻しないと考えているようだ。「目の前の事象にうろたえ、人々が買い物をする時期を前倒しにするために予算を投下したりするのではなく、基本に立ち返るべきだ。他店との差別化ができ、顧客の欲求に応えられる品揃えをして、彼らに足を運ばせることができれば成功は付いてくるはず」と、彼は指摘している。日本ではどうだろうか。家電量販店の初売りの好調や、セレクトショップの品揃えとディスプレイの自由度の高さといったあたりにヒントがありそうな気がするのだが。

◆情報ソース
Department-Store Decline: It's Not The Economy (Media Post: Marketing Daily)




ケロッグ社がオンライン広告の投資効果はTV広告の2倍と査定

米食品大手ケロッグ社がオンライン広告費を増やし、TV広告予算を削減する決定をした。
同社のチーフ・マーケティング・オフィサー、Mark Baynes氏によると、過去18ヶ月間にわたりスペシャルKブランドのROI(Return on investment: 投資利益率)を計測した結果、オンライン広告がTV広告を2倍以上上回った。Baynes氏は、コスト削減策のひとつとして、来年のテレビ広告費を10~20%削減するとしている。Baynes氏はまた、スペシャルKブランドのみならず、ケロッグ社の事業全体に同様の施策を適用していくとも述べている。効果測定をどのように行ったのかは明らかにされていない。

ケロッグは2007年に10億ドルという同社史上最大の広告予算を投じた。今年はさらに、3億ドル上乗せする計画だ。同社は、ダイエットを目指す人は、朝食に加えて昼食か夕食をスペシャルKに切り替えれば、2週間で洋服サイズを落とすことができるというキャンペーンを展開してきた。スペシャルKのウエブサイトでは、消費者のための減量プラン、YahooのEメール・グループに参加するためのサインアップ画面、トレーナーや栄養士による記事、Amazonの購入窓口へのリンクなどが用意されている。こうしたプロモーションの結果、朝食以外のシリアル食品の消費を拡大することができたとCEOのDavid Mackay氏は語っている。

ケロッグは景気後退期にもかかわらず広告費を拡大してきた。「過去5年、広告費を増大させているのは、当社がこのカテゴリーの成長を信じ注力していることの証だ。そして、広告のパワーは成長モデルに欠かすことのできないものだ」とBaynes氏は言う。しかし、だからこそ広告効果が問われる。Baynes氏が打ち出している広告投資効果改善策は以下のとおり。

■事業部や国単位ではなく、ブランド横断的にマーケティング効果の測定を行う。
■ブランド横断的に戦略的な連携を進めることにより、TVコマーシャル制作本数を減らす。
■ROIモデルと効果測定を活用する。
■広告テストの手順を含め、プロモーション方法の意思決定プロセスのための“ベスト・プラクティス“の標準化を進める。
■オンラインでの取り組みを強化する。
■コマーシャルの撮りだめ:一度に5本のコマーシャルを同時に制作する。
■広告エージェンシーの報酬モデルを新たにし、エージェンシーコストを削減する。
■購買ポイントにおいて消費者がどのような付加価値を求めているのかを見直す。

◆情報ソース(ソースはすべてAdvertising Age)
Food Companies Stay the Course
Kellogg: Digital ROI Surpasses That of TV
Kellogg Says ROI on Digital Trounces TV by 'Factor of 2'



プロクター・アンド・ギャンブル社の新マーケティング・オフィサー

全米最大の広告主であるProctor & Gambleのグローバル・マーケティング・オフィサー、Jim Stengel氏(53歳)が今年10月末をもって退任すると、1週間ほど前に伝えられた。

Stengel氏のポジションを引き継ぐのはP&G社で勤続26年のベテラン、Marc Pritchard氏(48歳)だ。Pritchard氏とはどんな人物なのか。Adweekが “All About P&G’s New Global Marketing Officer”と題する記事を掲載している。

この記事によるとPritchard氏は、1982年にインディアナ大学を卒業後、P&Gに入社し、財務部門を皮切りに宣伝、マーケティング、情報テクノロジーなど様々な部署でキャリアを積んだらしい。彼の業績でもっとも知られているのが、カラー・コスメティックの有力ブランド「カバーガール(Cover Girl)」のリブランディングだ。「カバーガール」は1989年にP&GがNoxel社から買収したブランドで、かなりのブランド力を持っていたにもかかわらず、Pritchard氏は化粧品部門に配属されて間もなく、リブランディングの必要性を訴え今日の製品ラインの土台を築いた。同氏は2000年、化粧品・フレグランス部門のゼネラル・マネジャー時代に、サプライ・チェーンの不要な部分を特定・排除し、後に消費者主導型のサプライ・ネットワークとして知られるようになるシステムの開発でも頭角を現した。このシステムはP&G社に莫大なコスト削減をもたらし、いまなお同社を支えるインフラのひとつとなっているという。

同じ記事では、Pritchard氏が癌に冒された同僚を足しげく見舞ったという逸話も紹介されている。非常にクリエイティブで、人を大事にし、頭の回転の早い理想のマネジメントというのが、P&Gの社員に取材したMediaweekの人物評だ。

一方、Advertising AgeはStengel氏の退任を、ここ数カ月進められてきたP&Gのトップ・マネジメント交代人事のひとつと位置付けている。同社では最近、チーフ・テクノロジー・オフィサー、人事部門のトップ、チーフ・デザイン・オフィサーなどの交代が発表されてきた。

Advertising Ageの記事によると、新ポジションへの就任が発表されるまで2年間にわたり、戦略、生産性、業績拡大の担当プレジデントを務めていたPritchard氏は、社の組織の合理化―特に米国外の各地域とグローバルな組織の間の重複解消に辣腕をふるった。その一環として、一部の機能が米国本社に戻され、それが本社役員クラスの序列変更にもつながったらしい。

それ以前、Pritchard氏は、P&Gの製品群の中でもっとも競争の厳しい化粧品とヘアカラー部門の責任者を務めていた。同社では責任者が退任した後の業績も評価につながるらしいが、この両部門の製品が最大のライバルであるL’Oreal社を制してシェアを拡大したことも、Pritchard氏が株を上げる一因になったとのことだ。Advertising Ageは、Pritchard氏と10月で退任するStengel氏や歴代のマーケティング責任者との違いを、キャリアのスタートがブランド・マネジメントではなく、財務部門に6年間、籍を置いていたことだと強調している。

◆情報ソース
All About P&G's New Global Marketing Officer (Mediaweek)
P&G Global Marketing Chief Stengel to Step Down (Advertising Age)



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