A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 調査・データ

A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情

大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

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マスメディアの信頼度は史上最低レベル―米ギャラップ調査

あなたは全般的に新聞、テレビ、ラジオなどのマスメディアを、ニュースを十分、正確、かつ公正に伝えているかという観点で、どの程度信頼していますか。非常に信頼している、かなり信頼している、あまり信頼していない、まったく信頼していない、の4段階でお答えください。

米大手世論調査企業ギャラップ(Gallup)が、毎年恒例となっている調査の結果を発表した。上記の設問では、マスメディアを信頼していない(あまり/まったく信頼していない)と回答した人の率が57%と、この調査が開始された1972年以来もっとも多かった。逆に信頼している(非常に/かなり信頼している)と回答した人の割合は、同調査史上最低のレベルだった。回答ごとの内訳をみると、「とても信頼している」人の割合は、1997年以降、ほぼ1割前後で推移しており、「かなり信頼している」人の割合が減少傾向にある。一方、「あまり信頼していない」人の割合は1998年以降、ほぼ35%前後で推移しているが、「まったく信頼していない」人の割合はここ5年ほど増加傾向にあり、2割を突破したのは、2008年に続いて2度目だ。マスメディアを信頼している人の割合は、1976年の調査でピーク(72%)に達した後、減少傾向が続いている。ギャラップ社によると、低所得、低学歴の層ほどマスメディアを信頼する傾向があるとのこと。

この調査は今年9月13~16日、米大陸に居住する18歳以上の男女を対象に、RDD(Random Digital Dialing)方式により行われた。サンプル数は1,019だった。対象者の支持政党、政府の立法、司法、行政に対する信頼度、ニュース・メディアは全般的にリベラル/保守的だと思うかといったことも調査されている。ギャラップ社は同調査を1972年に開始し、90年代までは不定期に、2001年からは毎年実施している。

同様の調査を日本で実施したらどんな結果になるだろうか。新聞社やテレビ局は、お得意の世論調査で自媒体の信頼度を調べてみたらどうか。

◆情報ソース
ギャラップ社ウエブサイト
- Distrust in U.S. Media Edges Up to Record High
- Media Use and Evaluation
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米雑誌協会が発表した広告効果測定調査結果

米雑誌協会(Magazine Publishers of America: MPA)が雑誌、テレビ、オンラインを比較した広告効果測定調査結果を発表し、消費者の購買にいたるまでの行動に与える影響においては雑誌広告がもっとも効果的、かつコスト効率が高いと訴えている。

MPAが発表したのは、広告効果測定の専門企業、ダイナミック・ロジック(Dynamic Logic)が2004年から2009年までの間に行った39の調査の分析結果で、この中の10の調査では費用対効果(ROI: Return on Investment)も調べている。ダイナミック・ロジックはこれらの調査結果をデータベースに蓄積しており、それらを総合的に分析することにより、3つの媒体による広告が、5段階のパーチャス・ファネル(purchase funnel: 認知から購入まで、消費者の態度が変容していくステップ)の観点から消費者の態度にどのような影響を及ぼしたかと、その費用対効果を明らかにした。分析は、各媒体単体による効果と、複数の媒体を組み合わせた場合の両方において行われた。

広告効果の測定方法としては、プレ/ポスト(広告実施の前後にそれぞれ調査を実施して回答の違いを分析する方法)とコントロール/エクスポーズド(回答者を広告に接触していないグループと接触したグループに分けて、その違いを分析する方法)とがあるが、ダイナミック・ロジックは後者を採用している。また、同社はパーチャス・ファネルを次の5段階で説明している。

Aided Brand Awareness
ブランドの助成想起。ブランドのリストを提示し、回答者が知っているか知らないかを答える。

Ad Awareness
広告認知。特定のブランドの広告を回答者が見た覚えがあるか。

Message Association
広告に表現されているメッセージやコンセプトを、回答者がブランドと結び付けて認知しているか。

Brand Favorability
ブランド好感度。回答者が特定のブランドに対して好意的な見方をしているか。

Purchase Consideration/Intent
消費者が特定のブランドの購入を検討する/購入意向を持つ、パーチャス・ファネルの最終段階。

さて、前置きが長くなったが、以下は分析結果をグラフ化したものだ。MPAの資料では、テレビ広告のみのインパクト(数値の上昇ポイント)を基準に、テレビにオンラインを組み合わせた場合の増加分と、さらにテレビとオンラインに雑誌を組み合わせた場合の増加分を比較している。(図は発表された数値を筆者がグラフ化したもの)

Purchase fusionグラフ

ご覧のとおり、パーチャス・ファネルの5つの段階すべてにおいて、上昇ポイントの合計の3分の1以上に貢献しているのは雑誌だけである。また、”Brand Favorability”、”Purchase Consideration/Intent”においては、雑誌を加えたことによるインパクトが、テレビ単体およびオンラインを加えたことによるインパクトを大きく上回っている。つまり、商品の購買につながる広告効果が最も大きいのは雑誌であるというのがMPAの主張だ。

次に費用対効果だが、消費者一人当たりの広告費用は、下の表のようにパーチャス・ファネルのすべての段階において雑誌がもっとも効率的であることがわかった。

ROI一人当たり費用チャート

また、費用あたりの有効人数は、下の表のように”Message Association”をのぞくすべてのステージにおいて、すべての媒体/組み合わせの中で雑誌が最も多かった。

ROI費用当たり有効人数チャート

もちろん、これは異なる調査の結果を融合させた分析結果で、同じ雑誌でもどの雑誌を使用するかで結果は異なるだろうし、計測対象ブランドのカテゴリー(例えば一般消費財なのか、ファッションブランドなのか)によって媒体との相性もあるだろうから、一概に雑誌広告がもっとも効果的・効率的であるとは言い難いが、MPAとしてはオンラインに広告予算を奪われつつある中、こうした努力を重ねていくしか有効な手立てを見いだせずにいるということだろう。

◆情報ソース

Magazines Take Page Out Of Online's Playbook, Use Cross-Media Studies To Tout Cost Effects (MediaPost)
MPAのウエブサイト

社会貢献とビジネスを結びつけるマーケティング

コーズ・リレイテッド・マーケティング(Cause Related Marketing: CRM)と呼ばれるマーケティング手法がある。寄付つき製品の販売のように、企業が製品やサービスの販売促進と同時に社会貢献を行う仕組みを指し、非営利組織と連携する形で行われることが多い。アメリカン・エキスプレスは1983年に、自社のカードが使用されるたび、あるいはカードの新規発行1件ごとに1ドルを自由の女神の修繕のために寄付するというキャンペーンを展開したが、これを契機にCRMが広く認知されるようになったと言われる。“Cause”は辞書を引くと「大義」とか「主義」と訳されているが、ここでは「世の中のためになること」と解釈するとわかりやすい。寄付のようなファンドレイジングだけでなく、企業がプロモーション活動などを通じて非営利組織の活動を紹介し、サポートを呼びかけるような情報提供型の取り組みもCRMと考えられる。例えばエスティ ローダー グループは、1993年に「乳がん研究基金」(Breast Cancer Research Foundation)を設立しピンクリボン運動に取り組んできたが、その一環として店舗で乳がんの知識や自己検診・定期健診の重要さをアピールしている。これもCRMと言える。

先ごろ、CRMを中心とするブランド・マーケティングのコンサルティング企業、コーン社(Cone Inc.)がオピニオン・リサーチ社(Opinion Research Corporation)に依頼して、CRMに関する消費者の意識調査を実施し、その結果を発表した。

この調査によると、
 回答者の52%は、いまのような景気後退期でも企業は“cause”や非営利組織のための資金的支援を継続すべきだと考えている。加えて26%は、いま以上の支援をすべきだと考えている。
 回答者の85%は、自分たちが関心を持つ“cause”をサポートする製品や企業には、よりポジティブなイメージを持っている。この割合は、1993年に実施された前回調査から変わっていない。
 85%は、企業が自社のマーケティング活動の一環として“cause”を支援することは許容できると考えている。(前回調査では66%)
 79%は、品質と価格が同じ製品であれば、“cause”へのより良い取り組みを行っているブランドを選ぶと答えている。(前回調査では66%)
 過去1年間に“cause”へのサポートにかかわりのある製品を購入した人の割合は38%。(前回調査では20%)

企業のCRMを望む分野は以下のとおり。
 教育(80%)
 経済発展(雇用創出、収入拡大、景気刺激など)(80%)
 健康・疾病対策(79%)
 きれいな水の入手(79%)
 環境問題(77%)
 災害被害者の救済(77%)
 飢餓救済(77%)

また、回答者のほとんど(91%)は、企業はどのように“cause”を支援しているかを消費者に伝えるべきだと考えているが、企業がそうした支援活動に関して十分な情報提供を行っていると答えた人は58%だった。

この調査は今年8月14、15日、インターネットを利用して行われた。対象となったのは18歳以上の男女で、サンプル数は男性500、女性571。

◆情報ソース
Users Reward Companies with Causes (Marketing VOX)



大統領選情報ではデジタル・メディアに軍配?

米独立系大手PRエージェンシーのWaggener Edstrom Worldwideが実施した調査によると、18~35歳のいわゆるジェネレーションXとミレニアルズと呼ばれる世代は、今年の大統領選挙に関する情報の入手先として、64%がデジタル・メディアを選んでいる。また、圧倒的多数の76%が、選挙に関する情報源としては、旧来型メディアよりもデジタル・メディアの方がアクセスと情報共有が容易であるため好ましいと回答した。彼らは、旧来型のニュースソースは情報を操作し、ニュースを「作る」から好ましくないと感じている。

この調査の標本数は800で、400は電話、400はオンラインで回答を得た。調査期間は6月9~12日。Waggener Edstrom Worldwideは回答者の67%が26~35歳のジェネレーションXで、残りは18~21歳のミレニアルズ世代だと説明している。(この2つの世代の定義はまちまちで、ベビーブーム後のジェネレーションXにもっと幅広い年齢層を含める人もいるし、ミレニアルズを2000年代に成人した(する)世代とするなら、いま18~27歳ということになる。)

6月20日のエントリーで、旧来型メディアに掲載された広告の方が印象が良いとのヤンケロビッチの調査結果を紹介した。上の調査は大統領選挙のニュースソースに関するものであるから比較にならないしヤンケロビッチの調査と矛盾しないが、ミレニアルズ以降の世代は広告の受け止め方も違うのではないかという気がしている。彼らは物心ついたころからテレビゲームやコンピュータに慣れ親しんできており、その結果、デジタルの世界に対するファミリアリティが高く、マルチタスキング(テレビを見ながら携帯メールで友人と感想を述べ合うなど同時に複数の作業をする)が当たり前になっている。情報を入手する速度も量も、上の世代よりも格段に勝るだろう。ミレニアム以降の世代への取り組みは、旧来型メディアにとって大きな課題になる。

余談になるが、このWaggener Edstrom Worldwideの調査のリリースページには、電話で回答した400名のうち、およそ3分の1は固定電話を持っておらず携帯電話を使ったとの注意書きがなされている。

さらに蛇足ながら、この調査の結果では、37%が民主党、27%が共和党の支持者で、どちらでもない浮遊層が23%だった。また、回答者が見聞きした範囲でキャンペーンにインターネットをうまく使ったのはどちらかを聞いたところ、民主党が56%と共和党(13%)に圧勝した。「もし今日、大統領選挙があったらどちらに投票するか」との質問では、バラク・オバマと答えた人が49%、ジョン・マケインと答えた人は29%だった。

◆情報ソース
The Web Is Where It's At for Youth Vote (Advertising Age)
Waggener Edstrom Worldwide agency news
広告の印象や口コミ効果では旧来型メディアの方が優れている―ヤンケロビッチ調査 (A BUG IN YOUR EAR)



広告の印象や口コミ効果では旧来型メディアの方が優れている―ヤンケロビッチ調査

テレビ、雑誌、新聞などの旧来型メディアに掲載された広告の方が、デジタルメディアに掲載された広告よりも良い印象を生み出すとの調査結果が発表された。

「When Advertising Works」と題されたこの調査は今年4~5月、米ヤンケロビッチ社(Yankelovich)がシークエント・パートナーズ社(Sequent Partners)と共同で行ったもので、ボール・ステイト大学(インディアナ州)のメディア・デザイン研究所が調査協力した。

テレビ、屋外広告、雑誌、新聞、ラジオ、映画館(劇場広告)、インストアなどの旧来型メディアと、Eメール、インターネット・バナー広告、SNS、ゲーム、動画共有型サイト(YouTubeなど)などのデジタルメディアの計16メディアによる広告について調査が行われた。

その結果、旧来型メディアで見た広告について良い(ポジティブな)印象を受けたと答えた人が回答者の56%を占めたのに対し、デジタルメディアで見た広告について同様に答えた人は31%だった。逆に、悪い(ネガティブな)印象を受けたと答えた人の割合は、旧来型メディアの13%に対して、デジタルメディアでは21%だった。また、良い印象も悪い印象ももたなかったと答えた人は、旧来型メディアでは32%、デジタルメディアの場合は48%だった。

この結果について、ヤンケロビッチの調査責任者は、人々は旧来型メディアを見ているときの方が娯楽を受け入れる姿勢が顕著でリラックスしているから、広告についてもポジティブな印象を持ちやすい。デジタルメディアは問題解決に適しており、それがデジタルメディアを使う主な理由にもなっている。情報を追い求めたり何かを比較したりしているときはいらいらした気分になりがちだが、テレビや雑誌を見ているときはそんなことはなく、広告に注意を向けることにも抵抗がないのではないか、と解説している。

同調査はまた、これまでウエブについて通説とされてきたことを覆すような結果を提示している。旧来型メディア―特にテレビCMや劇場のスポット広告―の方が、デジタルメディアよりも、口コミを誘発しやすいというのだ。ただしそれは、「見た人がその広告を気に入った場合に限る」と、上記の調査責任者は述べている。また、「口コミ効果を実現するためには、旧来型メディアとニューメディアをうまく組み合わせて使う必要がある」とのこと。

この調査結果を紹介しているニューヨーク・タイムズの記事には、調査方法が記されていないが、ヤンケロビッチのサイトで見つけた調査概要によると、サンプルは16歳以上の男女1500名。45分間のインターネット・インタビューを通じて、様々なメディアを通じての広告接触例を5000以上収集し、分析を行ったとのこと。

◆情報ソース
Traditional Media Not Dead Yet for Marketing, Study Says (New York Times)
ヤンケロビッチ社サイト:When Advertising Works



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