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A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情

大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

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Facebookファンページの憂鬱

米国の有力ブログ「マッシャブル」(Mashable )の7月6日付エントリーによると、ファッションブランドのヴェルサーチが、公式Facebookページへのファンユーザーの投稿機能を停止させた。

きっかけは先月、衣類製造労働者の環境改善を訴えるNGO「クリーン・クローズ・キャンペーン」(Clean Clothes Campaign)が社会運動プラットフォームであるChange.org.を通じて、ヴェルサーチのジーンズに施されているサンドブラスト加工(使い古し感を出すための加工)が製造現場の労働者の健康を害するものだとして不買を呼びかけたからだ。以来、ヴェルサーチのウォールには反サンドブラスト加工を訴える投稿が殺到した。ヴェルサーチはこれらの投稿を削除し、自社による投稿へのコメント以外は書き込めなくしてしまった。

Change.org.によると、サンドブラスト加工は高圧で砂を吹き付けるため大量のシリカの粉塵を発生させ、それを吸引した現場労働者が肺疾患で死亡する事故がトルコやバングラデシュで起きているのだという。リーバイス、H&M、グッチなどのブランドはすでに、同じ加工を施したデニム製品の販売を停止している。ヴェルサーチの広報責任者はMashableの取材に対して、同ブランドのジーンズはイタリア国内で、同国の安全基準に基づいて作られていると説明している。

このような事例は過去にもあった。例えば昨年、動物の権利擁護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会」(The People for the Ethical Treatment of Animals: PETA)は、DKNYのFacebook公式ページ上で、過激な反毛皮キャンペーンを展開した。(それだけにとどまらず、PETAはDKNYのオフィス、イベント会場、同ブランドを取り扱う小売店の外でデモンストレーションを行った。)それでもDNKYは投稿に制限を加えず、「最新情報」のタブに表示するようにしている。

企業は自社のFacebookページをどこまで開かれた場にすべきなのか。これは特にイメージを重視するトップブランドにとって頭の痛い問題だ。一方的な情報発信に使うだけならSNSを使う意味がないが、自由な投稿を認めると上記のように「荒れる」可能性がある。

米シンクタンク「L2」は今年6月、高級ブランドがどの程度Facebookを有効活用しているかを評価し「Facebook IQ」として発表したが、その中でバーバリー、シャネル、グッチの3ブランドは多くのファンを獲得しているにもかかわらず、評価基準のひとつである”Engagement”(ファンとのやりとり・双方向性)の評価が100ブランド中、順に94位、88位、87位と最低レベルであったため、総合順位も順に49位、53位、59位と振るわなかった。

そもそも、「L2」がFacebookに着目したのは、その活用度合が各ブランドの株主の増減と密接に関連しているからだというから、この評価は対象となっているブランドにとって無視できるものではないだろう。

ちなみに、”Engagement”以外の評価基準は、”Size & Velocity”(獲得した「いいね」の数、成長率、世界的規模など)、”Programming”(コンテンツのクリエイティビティ、個性、アプリケーションの活用、Eコマースとの統合など)、”Integration”(他のデジタル・プラットフォームとの連動、SEOなど)となっている。PDFのレポートはここから入手できる。

◆情報ソース
Should Brands Let Fans Post on Their Walls? (Mashable)
Anti-Fur Protesters Take Over DKNY’s Facebook Page (Mashable)
Burberry’s web-wizardry a disappearing spell? (Financial Times Blog)
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有料オンライン・コンテンツに対する消費者の反応(ニールセン調査)

ニールセン(The Nielsen Company)が52カ国、27,000人を対象にウエブ上の課金について調査を行った。それによると、ウエブ上のコンテンツが有料になった場合、アクセスするのをやめると答えた人が回答者の79%におよび、彼らは同等の情報を無料で入手できるはずだと考えていることがわかった。また、コンテンツが有料化されるなら、その内容は無料で提供されているものよりも明らかに優れたものでなくてはならないと答えた回答者の割合も71%におよんだ。

一方、情報を無料提供せざるを得たいとしたら、その質は犠牲になると思うかとの質問に対し、犠牲になると答えた人の割合は34%で、犠牲にならないと答えた人の30%をわずかに上回った。36%はわからないと答えた。

オンライン上の新聞、雑誌、ラジオ、テレビの購読・視聴契約を結ぶとしたら、そのコンテンツを無料で活用したいと答えた人の割合は78%。コンテンツに対価を支払うならば、自分たちはそれをコピーしたりシェアしたりする権利を得られるべきだと考えている人も62%いた。

コンテンツを無料化するための資金源として、より多くの広告が掲出されても受け入れると答えた人の割合は47%だった。一方、回答者の62%が、コンテンツに課金されるのなら、広告は載せて欲しくないと答えた。

下のグラフはオンライン・コンテンツの種類ごとに課金の受け入れ状況を示したもの。青い部分はすでに支払いをしている人の割合、オレンジの部分は支払いを検討しても良いと考えている人の割合だ。コンテンツの種類は上から順に、劇場映画、音楽、ゲーム、プロの手で制作された映像、雑誌、新聞、インターネット限定のニュース、ラジオ(音楽番組)、ソーシャル・コミュニティ、ポッドキャスト、ラジオ(ニュース/トーク番組)、投稿動画、ブログ。例えば、すでに支払いをしている人が多いのは音楽とゲーム(ともに15%程度)で、支払いを検討している人の割合と合わせてもっとも多かったのが劇場映画と音楽だった。

consumers paid for online content


このMediaPostの記事では調査の詳細が記されていないので、残念ながら対象となった国、回答者のプロフィール、調査方法などはわからない。ニールセンのサイトも確認してみたが、それらしい資料は見当たらなかった。

◆情報ソース
Nielsen: Users Won't Pay For Web Sites (MediaPost)

Fair Syndication Consortiumの会員社が1000を突破

5月29日のエントリーで、Attributor社が発起人となって、オンライン・コンテンツの無断転用をしているサイトやそこに広告を配信しているネットワークに報酬の支払いを求める組織Fair Syndication Consortiumを設立したと書いたが、当初50社ほどだった会員社が1000を越したようだ。

会員社には、ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)、ワシントン・ポスト(The Washington Post)、ダラス・モーニング・ニュース(The Dallas Morning News)、マクラッチー(McClatchy)、など米国の大手新聞社の半数以上が名を連ねる。また、米雑誌協会(Magazine Publisher of America)や、ブログネットワークのゴーカー・メディア(Gawker Media)、政治ブログサイトのハフィントン・ポスト(Huffington Post)なども会員社になっている。加えて、広告マーケットプレースのアドブライト(AdBrite)が同組織に協力することになった。

◆情報ソース
More than 1,000 Publishers Join Fair Syndication Consortium (Editor & Publisher)

Googleが行動分析型ターゲティング広告を開始

米国時間の昨日(11日)、Googleはインターネット・ユーザーの関心事に基づくターゲティング広告のテストを開始すると発表した。インターネット・ユーザーがどのようなサイトを閲覧したかを追跡して広告を表示する、いわゆる行動分析型ターゲティング広告だ。例えば、あるユーザーがNYTimes.comでスポーツ記事を読み、CBSSports.comも訪れている場合、そのユーザーは「スポーツ」のカテゴリーに分類され、スポーツへの関心が高い人をターゲットとするスポンサーの広告が表示される。ターゲット広告は、テキスト広告またはディスプレイ広告のいずれかで、AdSenseのパートナーサイトおよびYouTubeで掲載される。

ここで懸念されるのが、ユーザーのプライバシーの問題だ。Googleによると、ユーザーは自分がどのカテゴリーにリストされているかを確認し、そのリストから除外するようリクエストすることもできる。また、ブラウザーのプラグインを使って、広告プログラムからオプトアウトすることも、あるいは自分の興味のある広告のみを表示させることもできるという。しかし、非営利組織U.S. Public Interest Research GroupのAmina Fazlullar氏は、こうした機能を使えるのはインターネットの仕組みに明るく、プライバシー意識の高いユーザーだけではないかと主張している。「ネット上の行動を追跡され、広告を表示されても平気かと聞かれれば、たいていの人はNoと答えるはず」とFazlullar氏はいう。

バースト・メディア(Burst Media)が昨年12月、18歳以上の米国民4000名以上を対象に行った調査によると、回答者の62.5%は、自分たちがウエブサイトを訪問する際、その行動は追跡されていると思っているという。ところが、18~24歳の若年層にかぎると、行動が追跡されていると思う人の割合は47.8%に下がった。また、自分の関心事にそった広告が表示されるのであれば、個人を識別できる情報でなければ収集されてもかまわないと答えた人は、全回答者の23.2%だった。

◆情報ソース
Google Turns to Behavioral Targeting to Beef up Display Biz (Advertising Age)
Google Takes Mystery Out Of BT, Gives Consumers A Say In What They See (MediaPost)
3 in 5 Web Users Think Sites Track Their Behavior (Marketing VOX)

難しいからとウエブ解析を実施していない企業が過半数

米国のウエブ解析プラットフォームのプロバイダー、Alterianが、北米と英国の広告主、広告会社、マーケティング・サービス企業、システム・インテグレーター企業の担当者1545名を対象に行った調査によると、オンラインで行ったキャンペーンの効果を測定するために、ウエブ解析を行っている企業は全体の半分以下、47%にすぎないことがわかった。また、広告主のおよそ4分の1は、結果分析がキャンペーンのもっとも困難な部分であると答えた。

今年、オンライン・マーケティング予算を増やす予定と答えた企業は62%、昨年並みと答えた企業は26%で、減らすと回答した企業は6%にすぎなかったが、一方でオフラインのダイレクト・マーケティング予算を増やす予定と回答した企業も38%あった。

分析を行うにあたっては、複数の、ほとんど/まったく統合されていないシステムを使用している企業がほとんどであることもわかった。51%の企業は3~4種類のアプリケーションをつかっており、7種類以上のアプリケーションを使っている企業も26%あった。

また、自社のウエブサイトでは最低限のことしかやっておらず、マーケティングの中心的存在にはなっていないと回答した企業が、全体の5分の1あった。調査を主催したAlterianのCEOは、ブランドや企業のサイトは効果的なマーケティング・プログラムの要であることを広告主は忘れてはならない、と語っている。

この調査は同社が6年前から年に一度、行っている。今回の調査は昨年10月1日~12月4日のオンライン調査と、10月と11月に開催された3つのマーケティング・コンファレンスの会場での聞き取り調査を組み合わせて行われた。

◆情報ソース
Frustrated by Difficulty, Half of Marketers Forego Analytics (Marketing Charts)
Fewer Than Half Of Marketers Use Online Metrics (MediaPost)
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