A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 2008年03月

A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情

大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

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クライスラーが消費者によるオンラインパネルを組織

米クライスラーは消費者によるアドバイザリー・パネルを組織するために、4月に新しいサイトを立ち上げる。カスタマーの声を集め、マーケティングや製品開発に活かすためだ。

パネルの規模は2000人程度を予定しており、週に1~2回、オンラインで意見を募る。パネルの参加資格は18歳以上で運転免許を持っていること。幅広く様々な人を集めるが、パネルを性別や所有する車のブランド、タイプなどによってグループ分けすることも計画している。参加者募集の広告は来月からスタートするが、同社のホームページではすでに、参加申し込みを受け付けている。

クライスラーは昨年、独ダイムラーから投資ファンドのサーベラス・キャピタル・マネジメントに売却された。先月からは、“New Day.”をテーマに大がかりな宣伝を行っている。

◆情報ソース
Chrysler Ready to 'Listen' on New Site (Advertising Age)



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媒体社とネット企業の広告ネットワークを巡る戦い

出版社、新聞社など既存の媒体社がグーグルをはじめとする大手のインターネット企業に対抗して、独自の広告ネットワーク構築に取り組んでいる。

最近ではフォーブズが、400以上のビジネス/金融分野のブログを束ねた広告ネットワークをまもなく立ち上げると発表した。他にも最近、コンデナスト、バイアコム、CBSなどの大手媒体社が広告ネットワーク構想を表明している。こうした動きを受けて、ダブルクリックはパブリッシャーが独自の広告ネットワークを構築・管理するための広告ネットワーク・ビルダーを提供する予定だ。

しかし、これらの比較的小規模な(中にはほんの10ほどのウエブサイトをつなげただけのものもある)ネットワークは、グーグル、ヤフー、マイクロソフト、AOLなどが運営する大規模ネットワークと競合していけるのか。これらの大手企業はすでに、小規模なネットワークやテクノロジーの買収に、合計すると少なく見積もっても110億ドル以上の投資を行っているのだ。

インターネット・ユーザーは大小様々なサイトを利用するようになっており、一方、広告主は個々のサイトではなく、一括して効率的に広告を投下できるサービスを求めている。既存の媒体社とネット企業の双方が広告ネットワークづくりを進める背景には、このような事情がある。

大型広告ネットワークは、ユーザーのウエブサーフィン習慣に応じて広告を表示するなど様々なターゲティング技術を採用して、高価値な広告へとステップアップしつつある。これまで、高価値広告といえば雑誌社など既存の媒体社の十八番だった。

長年、広告の自社営業を生業としてきた既存の媒体社の多くは、大型ネットワークに加わることには難色を示している。媒体社の小規模ネットワークには、広告の承認があらかじめ取れている熱心な読者を抱え、個々のサイトへの目配りができるという強みもある。「フォーブズは我々のことを本当に理解してくれている。大型のネットワークはあらゆる業種や大型の一般消費者向けサイトとも取引をしなくてはならないだろう」と、フォーブズのネットワークに加わるブログのパブリッシャーは述べている。

Martha Stewart Living Omnimedia社も、大型ネットワークには加わらずに、自社の編集基準に合致した少数のライフスタイル・サイトと連携し、高めの料金設定で広告枠を提供する道を選んだ。同社の代表Wenda Harris Millardが言うように、「媒体社はブランドが命で、大型のネットワークは優れたビジネスモデルかもしれないが、ブランドを守ることは考慮していない」からだ。

バイアコムのMTVと子供向けアニメ/エンターテインメントサイトNickelodeonは、独立系の子育て支援サイトと広告のパートナーシップを結び、まもなく音楽と男性のライフスタイルをテーマにしたグループを立ち上げる予定だ。CBSも先週、同社所有の放送局と連携していくつかの地方向け広告ネットワークを作ると発表した。今年2月、大手新聞社のGannettとTribuneは、HearstとNew York Timesとともに、オンライン広告販売会社QuadrantOneを設立すると発表し、先週になって、さらに26の新聞社が同社に参加することになった。

大規模ネットワーク側は、小規模のネットワークでは広告主の要求に応えることはできないと主張している。10や20のサイトを束ねたところで、トラフィックは大型ネットワークの足元にも及ばないというのだ。

確かに、フォーブズがブログ・ネットワークから期待する広告売り上げは、現在の売上の10~15%に過ぎない。先だっては、ワシントン・ポストが16ヶ月間続いてきた広告ネットワークに終止符を打った。大型ポータルサイトやBlogadsのようなブログに特化したネットワークが提供する廉価なサービスにはかなわないと判断したからだ。

大型ネットワークに加わりながらも独自性を守り続ける媒体社もある。NBCとMicrosoftのジョイントベンチャーであるMSNBC.comは、Microsoftの技術と営業部隊を採用しながらも、政治をテーマにネットワークを立ち上げるなど、NBCのブランドを守りながら事業を拡大する試みを続けている。

◆情報ソース・参考
Online Pubs Expand Ad Offerings While Avoiding
the Wrath (or Temptation) of Portals
(Marketing VOX)
Media cos. battle Web portals on ads (Associated Press)
Forbes Launches Business & Finance Blog Net(Media Week)
米国の新聞4社がオンライン広告販売会社「quadrantONE」を共同設立 (Computerworld)
新聞社広告ネットワーク同士が提携 (japan.internet.com)



スターバックスのネットご意見箱

再びスターバックスの話

スターバックスが “My Starbucks Idea”というソーシャル・ネットワークを立ち上げた。消費者がスターバックスのサービスや商品を改善するためのアイデアを投稿するサイトで、他の人の投稿にコメントしたり投票したりもできる。また、ここで書き込まれたアイデアを受けてスターバックスが何をしているかを報告するブログ “Ideas in Action” も立ちあがっている。これらスタバ的web 2.0に対する賛否両論をアドバタイジング・エイジが伝えている。

Starbucks Gossip”というブログを運営するJim Romenesko氏は「無料のWi-Fiが欲しいといった同じような声が繰り返し書き込まれているのを読む気にはなれない」

スターバックスの元マーケティング担当者John Moore氏は、大きな関心を持ってこの実験を見守っている。というのは、スターバックスはこれまでネットの書き込みにまったく耳を傾けてこなかったからだ。(スターバックスはこの見方を否定しているが。)

コンピュータ・メーカーのDellは、オンラインご意見箱“IdeaStorm”に寄せられた意見を、いくつかの製品開発に結び付けた。また、同社に対する厳しい批判を好意的な意見に転じさせることにも成功した。しかし、こうした成功例はコーヒー・チェーンにもあてはまるのか。雑誌『New York』は、スターバックスの試みを同社のアニュアル・ミーティングから生まれた「最大にして最悪のアイデア」と断じた。

Romenesko氏(前出)は、“My Starbucks Idea”は「プロバガンダ・サイト」に過ぎないという。Moore氏(前出)が運営するブログ “brandautopsy.com”には、ビジターから「スターバックスのサイトにはいまのところ何の面白みも感じない。同じアイデアを繰り返すだけの、ミッションレビューと顧客の意見の貯蔵庫」との書き込みがあった。

一方、TNS Media Intelligence/Cymfony社の戦略・マーケティング執行責任者Jim Nail氏は、「スターバックスのブランドを自然な形で拡大した良いアイデアだ」と評価し、「正しい運営をすれば、スターバックスを誹謗する人にもコミュニケーションのチャネルを開くことができ、意見に耳を傾け返答することで彼らの発言の変えていくこともできるはずだ」と語っている。

以上、かなり省略して紹介したが、前の記事に続いてアドバタイジング・エイジはスターバックスに対して批判的な論調が色濃いように思える。他のニュース・サイトやブログを覗いてみると、それこそ賛否両論なのだが、まちがいないのはスターバックスがマクドナルドの新コーヒー(プレミアムロースト)発売などで苦戦を強いられているということ。(コーヒー専門店はどこも苦戦を強いられていて、その代表格としてスターバックスが名指しされているという節もある。)日本ではどうなのだろうか。私の周りには根強いスタバファンが多いのだが。

◆情報ソース
Starbucks Gets Web 2.0 Religion, but Can It Convert Nonbelievers? (Advertising Age)

追記
Ad Weekは同じニュースを、「ブログ界で拍手をもって迎えられた」と好意的に伝え、「(スターバックスの)ブランドストーリーを皆で作り上げていけるすばらしい手段」「スターバックスがこのサイトをどのように運用していくのか楽しみ。Dellを手本にして、消費者の意見を取り入れ企業文化を進化させていってほしい」「たぶん良いアイデアも提案されるだろうし、きっとカスタマーはブランド作りに携わっていると感じることができるだろうけど、つまるところスターバックスが歓迎するのはウォール・ストリートのアナリストの提案では?」といった、ブログ上のコメントを紹介している。

◆情報ソース
Starbucks Launches Online Suggestion Box (Ad Week)





ソーシャルネットワークから生まれた雑誌

出版社コンデナスト(Condé Nast)でかつてグループ・プレジデントとパブリッシング・ディレクターを務め、同社の雑誌『Vanity Fair』と『Details』のパブリッシャーだったミッチ・フォックス(Mitch Fox)が、8020パブリッシング社(サンフランシスコ)の社長・CEOに就任した。

8020パブリッシングが発行する旅行雑誌『Everywhere』と写真誌『JPG』はいずれも、オンラインを介した投稿で作られている。例えば『JPG』は、出版社が設定したテーマに沿った写真をオンラインの会員が自分で撮影してウエブ上にアップロードし、他の会員が優れた作品に投票をする(投票の基準は写真の質と設定されたテーマを表現していること)。雑誌に掲載する作品は編集者が選び、採用された会員は『JPG』の年間購読が無料になるのに加え100ドルの賞金を手にする。

JPG magazine


広告主はテーマ毎に設けられたセクションのスポンサーになることができる。サムスンは高性能のカメラを搭載した携帯電話の宣伝に、『JPG』のウエブサイト上で携帯のカメラで撮影した写真の投稿を呼びかけ、雑誌では “Emotion Capture”というテーマのセクションのスポンサーとなった。これから発売される第16号では “Fresh”“Human Impact”などのテーマが設定されているが、そのひとつ“On the Go”のスポンサーにはペンタックスがなっている。

ミッチ・フォックスは、「8020のような新しいメディア企業は、自社の方法が受け入れられるかをいちいち証明して見せなくてはならないが、それをすでに実現しているところにもっともひかれた」と述べている。

◆情報ソース
Social Networking Spawns New Print Mags(Advertising Age)
JPG誌のウエブサイト
8020 Publishingのホームページ




ゼネラルモーターズが宣伝予算をデジタルに

予算規模で全米第3位の大広告主ゼネラルモーターズ(GM)が、年間30億ドルの広告予算の半分を今後3年以内にデジタル媒体やone to oneマーケティングにシフトするらしい。TNS Media Intelligenceによると同社は昨年、1億9700万ドルをオンライン広告に投じたが、それを一気に拡大してゲーム内広告、検索、携帯、インタラクティヴメディアなどでマーケティング活動を行うとアドバタイジング・エイジが伝えている。

GMはまた、各地のディーラーにも、TVスポットなど既存媒体ではなくデジタル媒体を主体にしていくよう呼びかけていくのではないかとみられている。

米国では、トヨタ自動車の米国法人Toyota Motor Salesが、若年層向けブランドScionの販促活動をインターネットで行い成功したほか、Hyundai Motor Americaも今年のオンライン広告予算を倍増させるなど、自動車業界全体のデジタルシフトが加速している。

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 (クリックすると拡大表示します)

上の統計(Source: TMS Media Intelligence)を見るとわかるように、なかでもテレビと新聞への出稿がここ3年程の間に激減している。

◆情報ソース
GM Roars Forward Into Digital Ad Channels(Advertising Age)
Widgets Help Hype Scion XD, XB and TC (Marketing VOX)





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