10月13日のエントリーで、雑誌記事のデジタル版の販売に向けて複数の出版社が協力態勢を模索していると書いたが、それがいよいよ動き出すとニューヨーク・オブザーバー(The New York Observer)が伝えている。しかも、タイム(Time Inc.)、コンデナスト(Condé Nast Publications)、ハースト(Hearst Corporation)といったライバル関係にある大物たちが、手を携えて新会社を発足する見通しだという。
新会社設立に向けて音頭をとってきたのは、タイムの筆頭副社長であるジョン・スクワイアーズ氏(John Squires)だ。スクワイアーズ氏は去る10月14日、米雑誌協会(Magazine Publishers of America)が開催した「イノベーション・サミット」のパネル・ディスカッションでデジタル版販売拠点の共同構築を呼びかけ、他の出版社との会合を重ねてきたようだ。
『フォーブズ』ではいまのところ、発行回数を減らす計画も、部数を削減したり定期購読料金を値上げしたりする計画もないようだ。一方の頼みの綱である広告の集稿ページは、PIB(Publishers Information Bureau)によると今年1~9月で、前年同期比31%減だった(『ビジネス・ウイーク』と『フォーチュン』はいずれも35%減)。
一方で、『フォーチュン』の発行元タイム(Time Inc.)は、同誌からスピンオフしたアメリカン・エクスプレスのカードホルダー向けの無料会員誌『フォーチュン・スモール・ビジネス』(Fortune Small Business)の発行を、今年12月を最後に打ち切ることを決めた。同誌の広告売り上げがここ数年、大幅に減少しているためだ。同社はまた、経費削減策の一環として昨年およそ600名のレイオフを実施したが、さらに今年から来年にかけて400~500名の人員削減を行う計画だ。