A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 2010年06月

A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情

大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

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雑誌広告の業績予測が発表された

先週のニュースだが、米大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパーズ(PricewaterhouseCoopers)の推計によると、米国の一般雑誌の2009年の広告売上は前年に比べると21%落ち込んだ。同社はまた、雑誌広告の売上が2010年に前年比7%減、2011年に3.5%減、2012年には1.1%減となり、2013年には持ち直すものの伸び率はわずか1%未満になるだろうと予測している。つまり、下げ止まりはするがその後の成長は見込めず、デジタルへの移行が進んでいくと同社は見ている。

調査会社マグナ(Magna)の予測はもっと悲観的だ。同社によると一般誌の広告売上は、2010年に前年比6.2%、2011年に2.2%、2012年に2.1%、2013年に1.9%、2014年に1.5%、2015年に3.8%の割合で減少し続け、総計で2006年からの10年間で42%の縮小となる。

もちろん雑誌だけではない。プライスウォーターハウスクーパーズによると、米国の新聞の今年の広告売上は昨年比で、紙版が15%、デジタル版が6.8%縮小する見込みだ。デジタル広告に限ると、雑誌は不況下でもわずかではあるが成長を続けている。プライスウォーターハウスクーパーズは、雑誌のデジタル広告の売上は今年、8.5%伸びると予測している。しかし、同社の担当者は、デジタル端末の普及は好材料だが、それでも雑誌にとっては厳しい状況が続く、と見ている。

米国のEリーダー所有者の数は今年に入って34%増加し280万人に達した。調査会社GfK MRIの調べによると、Eリーダーの所有者は米国の一般成人に比べ35歳~44歳の層が厚く、世帯収入が10万ドル以上の人の割合が111%、大学院卒業の高学歴の人の割合が159%高いとのこと。また、Twitter、Facebook、Linkedinなどのソーシャルメディアの利用率も高いそうだ。Eリーダーをいち早く購入するのは経済的に余裕があり、デジタルへの親和性が高い、いわゆるトレンドリーダー層の人が多いだろうから、この調査の結果は当然だともいえる。重要なのはこの後、どこまでEリーダーが浸透していくかだろう。

マネジメント・コンサルの大手、オリバー・ワイマン(Oliver Wyman)は、米国雑誌協会(Magazine Publishers of America)へのプレゼンテーションで、Eリーダーの所有者は雑誌の電子版を有料購読する可能性が高く、2014年までにiPadなどのカラ―・タブレットの利用者の数が400万人に達するとの予測を発表したとのことだがどうだろうか。私の乏しい経験では、コンサルティング会社は明るい将来像を提示するものの、その通りにならなくても結果に対しては責任を取らないし、コンサルを入れて成功した出版社は見たことがない。

雑誌に関しては、情報のパッケージの仕方が(したがって広告の形式も)、デジタル端末の普及とともに変容していくのではないかと思うのだが…。

◆情報ソース
PwC: Mag, Newspaper Revenues Continue To Drop (MediaPost)
Magazine Print Ad Revenue Will Ebb Until 2013, Outlook Says (Advertising Age)
GfK MRI Sees E-Reader Boom (MediaPost)
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ニューズ・コーポレーションが電子出版のSkiffを買収、ジャーナリズム・オンラインも傘下に

ルパート・マードック率いるニューズ・コーポレーションが、電子出版プラットフォームを開発するSkiffを買収したと発表した。同社はまた、オンライン出版向けの課金システムを提供するジャーナリズム・オンライン(Journalism Online)に大掛かりな投資を行ったとも発表した。

この発表では、両者がニューズ社の戦略上、どのように位置づけられるのかは明らかにされていない。同社はすでに、ウォール・ストリート・ジャーナル・オンライン(The Wall Street Journal Online)をはじめ、ロンドン・タイムズ(London Times)とサンデイ・タイムズ(Sunday Times)でも課金システムを採用している。しかし、ルパート・マードックはかねてより、他の新聞社もウエブ上のコンテンツの有料化を行うべきだと主張している。多くの企業が利用するジャーナリズム・オンラインを傘下にすることにより、ニューズ社は有料化パートナーを効率よく拡大することができるばかりか、課金制度導入を検討する企業を対象としたビジネスにも着手できると、『アドバタイジング・エイジ』(Advertising Age)は分析している。また、Skiffの買収は言うまでもなく、ニューズ社にとってウエブ上ばかりでなく、電子端末向けのコンテンツ販売の道を切り開くことになる。

Skiffは出版社のハースト(Hearst Corporation)の傘下企業で、ハーストはSkiffの技術を用いて今年、様々なデバイス向けに新聞や雑誌のコンテンツを提供するオンラインストアを開設する計画だった。Skiffは今年初めに、専用の電子書籍リーダー「Skiff Reader」を発表したばかりだが、ニューズ・コーポレーションは、「Skiff Reader」を買収の対象から除外した。ハーストが独力で「Skiff Reader」の発売に踏み切るのか、ニューズ社以外の買い手を探すのか、あるいは発売をご破算にするのかは明らかにされていない。

◆情報ソース
News Corp. Acquires Skiff (Mediaweek)
News Corp. Buys Skiff, Stake in Journalism Online (Advertising Age)

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