A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 2012年03月

A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情

大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

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富裕層向け雑誌が次々と創(復)刊

米国で、富裕層をターゲットとした雑誌の創刊や復刊が相次いでいる。

ブルームバーグは今年2月、ライフスタイル誌『ブルームバーグ・パスーツ(Bloomberg Pursuits)』を創刊した。同社がすでに発行しているビジネス誌『ブルームバーグ・マーケッツ』(Bloomberg Markets)』と同様、金融情報サービス「ブルームバーグ・プロフェッショナル(Bloomberg Professional)」の契約者、約31万人に毎月無料で配布される。読者となる端末契約者の平均世帯年収は452,000ドル(1ドル=82円で約3,700万円)で、90%が男性とのこと。創刊号は編集面46ページに対して、エルメス、シャネル、ゼニア、ロールスロイスなどの広告30ページが掲載された。

Time Style & Design

先週には、ニュース誌『タイム(TIME)』の別冊『タイム・スタイル&デザイン』(Time Style & Design)』が復活した。同誌は『タイム』の定期購読者向けファッション&ライフスタイル別冊として発行されていたが、2009年9月に休刊した。今後は年2回の発行で、『タイム』定期購読者の中でも「特に裕福であると判断された」50万人に、本誌とともに配布される。

経済誌『フォーブズ(Forbes)』の別冊『フォーブズライフ(ForbesLife)』は、創刊から22年を数える高級ライフスタイル誌だが、このたび誌面を一新し、『フォーブズ』の定期購読者に無料配布されるばかりでなく、大都市圏のニューススタンドでも販売されることになった(定価は6.99ドル)。同時にiPad、Nook、およびKindle向けのデジタル版も発行される。

そしてもう一誌、9月に創刊を予定しているのが『ドゥジュール(Du Jour)』という雑誌だ。仕掛け人は、富裕層向け雑誌専門の出版社ニッチ・メディア(Niche Media Holdings)の創設者ジェイソン・ビン氏(Jason Binn)。ビン氏は2010年に同社のCEOの職を退いた後、招待制のファッション通販サイトを運営するギルト・グループ(Gilt Groupe)の創業者・CEOケヴィン・ライアン氏(Kevin Ryan)のチーフ・アドバイザーとなったが、『ドゥジュール』はビン氏とギルト・グループの他、空港などでニューススタンドを運営するハドソン・ニュース(Hudson News)と、同じハドソングループで免税店を運営するDufryとのパートナーシップにより年4回、発行される。ターゲットとなるのはギルト・グループのサイトに登録した会員(全米300万人と発表されている)の中から、年収25万ドル以上、持ち家の価値150万ドル以上等の条件でふるいにかけられた235,000人(この人たちには無料で送付される)である。加えて、15,000部はニューススタンドで販売されるほか、月刊のデジタルマガジン、週刊のメールニュースと、同誌は創刊からマルチプラットフォーム展開を計画している。

経済の先行きが不透明な中、ここにきて各社が富裕層向け雑誌に力を入れ始めたのはなぜなのか。米国ではこの数年の間に、中間所得層の多くが低所得層に移行し、高所得層との二極化が顕著になってきている。その結果企業は、低所得層に安価な品を数多く買ってもらうか、高所得層に超高級品を売り込むしかなくなっているのだという。それを反映してか、例えばコンデナスト(Condé Nast)の高級ファッション誌『W』は今年、広告が前年同期に比べて63ページ、売上にして20パーセント増えた。また、アメリカン・エクスプレスの会員誌『デパーチャーズ(Departures)』も、1-3月期の広告がページ数で10パーセント、売上にして22パーセント増加したという。

既存の高級誌に加えて、上に紹介した雑誌のうち生き残れるのはどれか。それは、本当の富裕層にまちがいなく読まれている雑誌であることを、いかに裏付けられるかにかかっている。

◆情報ソース
Bloomberg to Launch Luxury Lifestyle Magazine (WWD)
Time Style & Design Returns (WWD)
Forbes Relaunches Luxury Lifestyle Title 'ForbesLife' (Adweek)
He’s Binn Busy! With Du Jour, Jason Binn Homes in on Familiar Niche, Digitally (New York Observer)
Jason Binn Launching Du Jour Magazine (WWD)
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『コスモポリタン』誌デジタル版の定期購読者数が10万人を突破

米ハースト・マガジン(Hearst Magazine)発行の月刊女性誌『コスモポリタン』(Cosmopolitan)の有料予約購読者数が10万人に到達したと、『アドバタイジング・エイジ』(Advertising Age)が伝えている。

Cosmopolitan cover

同誌は2005年に、デジタル書店のZinioでデジタル版の販売を開始したが、部数(とデジタル版でもいうのだろうか?)が急伸したのはiPad、Nook、Kindle Fireなどのタブレット端末が市場に出回り始めてからだ。

ハーストは、デジタル版の販売戦略で他社と一線を画している。コンデナスト(Condé Nast)の『ワイアード』(Wired)やタイム(Time Inc.)の『ピープル』(People)の場合、プリント版の定期購読者はデジタル版を無料で読むことができる。タイムの雑誌はiPad版だけを購読することすらできない。一方、ハーストはプリント版とデジタル版の販売を切り離しており、一方を他方の特典とするようなことはしていない。それどころか、『コスモポリタン』の年間購読料は、プリント版が15ドル(1ドル=82円として1,230円!)であるのに対し、デジタル版はiPadとZinioが19.99ドル(約1,640円)と、こちらの方が高い。

とはいっても、単号の価格はデジタル版が1.99ドル、プリント版(店頭価格)が3.99ドルで、『コスモポリタン』は米国の雑誌には珍しく店頭販売部数の比率が高く、総販売部数(300万部)のほぼ半分を占めているから、販売収入に占める割合はプリント版の方が格段に大きい。

それでも、デジタル版の年間購読者が10万に達したというのは、大きな節目だろう。同誌の編集部では、先に紹介した『アトランティック』と同様、プリント版とデジタル版のスタッフの融合が急ピッチで進んでいるそうだ。

◆情報ソース
Cosmopolitan Says It Has 100,000 Paid Digital Subscriptions (Advertising Age)

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