A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 ELLE好調の立役者、キャロル・スミス語る

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大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

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ELLE好調の立役者、キャロル・スミス語る

このところ販売・広告ともに好調で、昨年、アドバタイジング・エイジの “A-List”にも選ばれた米女性誌『エル(ELLE)』(アシェット・フィリパッキ・メディア/Hachette Filipacchi Media)の発行人、キャロル・スミス(Carol Smith)氏がForbes.comのインタビューに応えて好調の理由や今後の見通しを語っている。スミス氏が発行人になった2002年、『エル』は、広告集稿が前年比18.2%も落ち込んでいたが、それからは6年連続で広告を増やし、多くの雑誌が不調に終わった昨年も前年比5%の成長を達成した。

スミス氏はウォール・ストリート・ジャーナル初の女性広告営業担当としてキャリアをスタートした後、雑誌『ペアレンティング(Parenting)』(当時はタイム社/Time Inc.、現在はボニエル社/Bonnier Corporationが発行)の創刊発行人、業界誌出版社ミラー・パブリッシング(Miller Publishing Corporation)の副社長兼発行人などを歴任した。彼女が発行人に就任した後、『エル』は人気テレビ番組「プロジェクト・ランウェイ(Project Runway)」のオフィシャル・パートナーとなるなど積極的な業績拡大策をとり、いまや『ヴォーグ(Vogue)』の地位を脅かすほどの存在となっている。

以下にインタビューの一部を紹介する。

Q 他の雑誌が業績を落としたり休刊したりする中、『エル』は過去3年間で27%も広告集稿数を伸ばしました。何か他誌と違う方法をとったのですか?

Carol Smith(以下CS) 「プロジェクト・ランウェイ」という大きなリスクを取ったことかしら。『ヴォーグ』が(パートナーになるのを)断ったことは知っていました。(フランスの上司からは)「愚かな」ことをするなと言われましたし。それが最大のリスクでした。

もう一つのリスクは私を採用したことでしょう。私は『ペアレンティング』や『アメリカン・ヘリテージ(American Heritage)』などの雑誌の経験しかなく、ファッション誌のバックグラウンドはありませんでしたから。そんな人間をファッション誌の担当にするなんて、大きなリスクだったと思います。

Q 『エル』の広告は今後も伸び続けると思いますか?

CS いいえ。わかるでしょう。どの媒体が伸びると?伸びる余地なんてありますか?グーグルだって伸びていないのに。しかし、シェアを伸ばすことはできると思います。『ヴォーグ』にはとても近い位置まで来ていますから、その差をさらに縮めることはできるでしょう。

Q その差を縮めるためには何をすべきと?

CS いまの路線を続けることです。『エル』はいまの時代に合った雑誌だと思いますから。他誌がコストを削っても編集への投資を続け、販売部数を伸ばすための投資も続ければ、強力な競合誌も射程距離に入ってくると思います。

Q 『エル』は「プロジェクト・ランウェイ」、「スタイリスタ(Stylista)」、「アグリー・ベティ(Ugly Betty)」などの番組でエンタテインメント業界での存在感を増していますが、そうしたプロジェクトが『エル』の成功にどのように結び付いたと?

CS 「プロジェクト・ランウェイ」がはじまってから、『エル』が話題になることが増えたと思います。人々にとっての『エル』の存在感が大きく変化しました。そして、ポップカルチャーの中心的な存在、ポップカルチャーとファッションをとらえ直す上での中心的な存在になったのです。

タレント・エージェンシーのCAAに、私たちが未経験の世界に踏み込み、正しい決定をするための道案内を頼んだのですが、その結果、「プロジェクト・ランウェイ」は全く予想外の、素晴らしい効果をもたらしてくれました。「スタイリスタ」と「アグリー・ベティ」はその延長線上にあるといって良いでしょう。いまは私たちも、もう少し様子がわかってきましたけど。CAAは、私たちが映画、テレビ、ウエブ、DVDなどとどのようにかかわるべきかを知る手助けをしてくれています。

Q オンラインとプリント版の両方で読者を引き付けるには何が必要だと思いますか?

CS ファッションという、雑誌で光り輝くカテゴリーにかかわれて良かったと思っています。ファッションのページは、オンラインでどれほど素敵に見えたとしても、雑誌にはかないません。ページをめくるたびに、「まあすてき」とため息をもらすような経験ができるのは雑誌だけです。

その意味で、雑誌にとって幸運なカテゴリーに出会えたと思っています。いまの私の課題は、読者にオンラインの世界を見てもらうことと、オンラインにふさわしいファッション・コンテンツを実現することです。そのための投資はしていますが、うまくいっているとは思っていません。オンラインでファッションというと、ショッピングにつきるのではないかしら。実際に、誌面をショッピングに結びつける計画もあります。雑誌の表紙を飾るドレスを、電話一本で、あるいはネットに接続するだけで購入できるような仕組みを。

Q 昨年の秋は、ファッション誌が9月号で記録的な広告売上を達成しましたが、今年はどのような見通しを?

CS 春の号は前年比22%ダウンとなります。通年でも15%程度の落ち込みになるでしょう。秋の号の締め切りは6月ですが、それまで小売店は在庫を増やさないでしょうし、広告予算も抑えられたままだと思います。今年は去年みたいに厚い号は見られないでしょう。雑誌の数が多すぎるし、ファッション・ブランドの数も多すぎではないかしら。生き残りが大変。

Q 雑誌の業績落ち込みは景気後退に歩調を合わせたものだから、いずれ持ち直すという人がいますが、同意見ですか?

CS 高級品市場も高級誌も復活すると思います。その顔ぶれがどうなるかはわかりませんが。2007年と同じ顔ぶれにはならないのでは?広告ページ数でトップ3の月刊誌は、『ヴォーグ』、『ブライズ(Brides)』、『エル』になると思います。

いちばん心配なのはシェアを失うことです。『エル』は5年かけて、ナンバー2の地位まで這いあがってきました。その地位を手放すことを考えるとぞっとします。『エル』のポジションは非常に強固なものですが、だからといって3位以下の雑誌の標的になることに変わりはありません。『ヴォーグ』は絶対的な存在ですから、誰もが『エル』を攻撃目標にするのはまちがいありません。その意味で『エル』は、うんざりするくらい大変な位置にいるのです。

◆情報ソース
How Smith Keeps Elle Glossy (Forbes.com)
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