A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 雑誌協会からの脱退が続く

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大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

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雑誌協会からの脱退が続く

2月12日のエントリーでアシェット・フィリパッキ・メディア(Hachette Filipacchi Media U.S.)が、米雑誌協会(MPA: Magazine Publisher of America)を脱退したとお伝えしたが、心配されていたとおり、この動きにニューヨーク・マガジン(New York magazine)とアメリカン・メディア(American Media)が追随したとアドバタイジング・エイジ(Advertising Age)が伝えている。理由はアシェットと同じく、不況対策として(というよりも、業績の落ち込みを少しでも軽減するために)、会費の支出を抑えるためだ。

会費がいかほどなのかは協会も会員社も公表していないが、各社の年会費は雑誌の発行部数と広告売上に基づいて算定される。その総額は、アドバタイジング・エイジが入手した2007年の資料によると、合計1,070万ドル近くになるとのこと。現在の会員社数は約240社とのことだから、単純に平均すると一社あたり約44,600ドル(400万円)ということになる。大手の出版社の場合、その負担は何倍にもなるはずだ。

雑誌『ニューヨーク』の脱退は、アシェットの場合同様、MPAにとってショッキングだったはずだと『アドバタイジング・エイジ』は書いている。というのは、同誌は昨年、ナショナル・マガジン・アウォードを1部門で受賞、他の8部門でもファイナリストに残った有力誌だからだ。それだけでなく、2005年以降毎年、同賞の「ジェネラル・エクセレンス(総合部門)」にノミネートされ、2006年と2007年には受賞している。ちなみに、この賞を主催しているのは米雑誌編集者協会(ASME: The American Society of Magazine Editors)で、同協会、MPAいずれの会員であることも、賞にノミネートされる条件にはなっていない。また、両協会は非常に近しい存在ではあるが、MPAを脱退しても、ASMEを自動的に脱退することにはならない。実際、『ニューヨーク』はいまでもASMEの会員のままだ。

アメリカン・メディア社の場合は、やむを得ないという雰囲気のようだ。同社はだいぶ前から経営危機が囁かれており、今月初めには、債権者が連邦破産法第11条(Chapter 11)の適用をまぬがれるために経営の実権を握る事態となった。

MPAの悩みの種は、さらなる追随者が出かねないことだろう。MPAは当ブログでも紹介してきたように媒体としての雑誌の地位向上のために広告キャンペーンを行ったり、媒体評価の新たな指標を提案したり、あるいはロビー活動を展開するなど、雑誌業界の環境改善・地位向上のために様々な活動をしているが、アシェットをはじめとする出版社はそれよりも目前の自社の業績を優先させる決断をした。MPAに限らず、業界団体の役割や存在意義が問われつつある。

◆情報ソース
MPA Loses Two More Members to Recession (Advertising Age)

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