A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 メディア企業のCRMへの取り組み

A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情

大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

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メディア企業のCRMへの取り組み

読者(オーディエンス)と広告の減少に直面したメディア企業が注目しているのが、ディズニーが先週から開始したようなCRM(Customer Relationship Program: 顧客との関係の管理)プログラムだ。

ほとんどの新聞社、雑誌社その他のメディア企業はすでに、購読者向けのマーケティング・プログラムを実施しているし、多くのエンタテインメント企業もロイヤリティ・プログラムを導入しているが、最近の傾向で目新しいのが、企業が保有するコンテンツの見直しを行い、それらをロイヤル・カスタマーに最大の価値を提供するためにいかに組み合わせればよいかを明らかにしようとしている点だ。

「新聞、雑誌、その他のメディア企業は、どのコンテンツを残すかを考え始めるべきだ。デジタル・コンテンツの購読契約をし、ブランドの一員になるよう呼びかけることにより、企業は顧客の契約者としての意識を深めることができる。それが、メディア企業がすでに持っている広告プラットフォームに代わる、マーケティング・プラットフォームとなる」と、顧客のロイヤリティ向上サービスを提供するLoyalty Labのシニア・バイス・プレジデント、デビッド・ローゼン(David Rosen)氏は言う。

マーケティング・プラットフォームを持つことにより、メディア企業は広告主が、正しいタイミングでターゲットとする顧客にコンタクトする手助けができるようになる。それこそが、広告主が対価の支払いを認めるものだと、ローゼン氏は言う。

Disney D23 image

ディズニーが先週発表した、D23と名付けられた会員向けプログラムは、同社初のディズニー・ファンのためのオフィシャル・コミュニティだ。D23という名称は、ウォルト・ディズニーが映画会社を創業したのが1923年だったことに由来する。このプログラムでは74.99ドルの年会費を支払うと、新しく創刊された季刊の会員誌『Twenty-three』の購読、スペシャル・イベントへの参加、会員限定グッズの購入、会員限定のコンテンツへのアクセスができるほか、会員証も発行される。

タイム社(Time Inc.)も、すでに実施している購読者向けのマーケティング・プログラムに加えて、年内に様々なロイヤリティ・マーケティングのモデルを試験導入する。

「これまで雑誌社は定期購読者向けの割引に力を入れてきたが、売上を保持し事業を存続するためには、顧客が喜んで対価を払うような商品を提供しなくてはならない」と、同社のサブスクリプション・マーケティング担当バイス・プレジデントのサラ・ジャック(Sarah Jack)氏は言う。

その結果、同社は定期購読を継続してもらうための施策や、読者に関する定期的な調査に加えて、同社の資産を活用してどんな価値を読者に提供できるのかを明らかにしようとしている。その中には、ウエブサイト上で定期購読者専用のページを設けたり、専用のニュースレターを送信したりするプログラムも含まれている。

「メディア企業は、CRMのコンセプトを導入し、顧客にとっての価値とは何かを明らかにする方向に、大きく舵を切った」とマーケティング・サービス企業Quaeroのシニア・バイス・プレジデント、ジュリー・フィリップス・ベーカー(Julie Phil­lips Baker)氏は言う。

特定のプロフィールを持つ顧客をターゲットにすることが可能になれば、広告単価を引き上げることができると、メディア企業が認識するようになったことで、こうした流れにはさらに拍車がかかっている。「大企業ほど、このような顧客に関する情報を求めている」とベーカー氏は指摘する。

しかし、旧来型のメディア企業は、雑誌や新聞のウエブ版の読者のデータを明らかにすることに、あまり前向きではない。「この手のCRMプログラムを実施できるのはほんの一握りのメディア企業だけで、他の企業はようやく顧客データの収集をはじめた段階だ」とベーカー氏。

例えばESPNはQuaero社と共同で、自社チャンネルを観るスポーツファンのデータから5類型のカスタマープロフィールを割り出した。同社は昨年5月、このプロフィールを広告主向けに公表した。さらに最近、自社のマーケティング活動にもこのプロフィールを利用し始めた。

10種類の日刊紙を発行するトリビューン社(Tribune Company)は昨秋、プレプリント・オプチマイゼーション(PrePrint Optimization)というプログラムをスタートさせた。このプログラムは広告主のデータと購読者のデータを組み合わせ、広告主がいつ、どのようにターゲットとする消費者に到達できるかを明らかにするものだ。

また、米国第4の新聞チェーンであるメディアニュース・グループ(MediaNews Group)は先ごろ、個人向けにカスタマイズした新聞(紙版とデジタル版の両方)の発行を開始し、広告も特定のターゲットに向けたものを掲載すると発表した。この新聞は”I-News”または”Individuated News”と名づけられ、購読者は広範なカテゴリーの中から自分の読みたいものを選ぶ仕組みになっている。今年夏から同社の『ロサンゼルス・デイリー・ニュース』でテスト版が発行される。

こうした試みに対しては、ウエブ上で否定的な意見も表明されている。例えば、”I-News”のアイデアに対しては、読者は記事を見て初めて自分の読みたい内容を認識するのであって、あらかじめカテゴリーを指定させる試みはうまくいかないだろうという声もある。もちろん、最初からすべてうまくいけばテスト版など必要ないわけで、当面は試行錯誤の繰り返しになるだろう。先に取り上げたマイクロペイメントもそうだが、デジタル技術をうまく取り入れた新たな試みに注目していきたい。

◆情報ソース
Media turn to CRM to cut losses (DMNews)
MediaNews Posits A Custom-Made Newspaper (MediaPost)
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