A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 コカ・コーラが広告会社の業務の価値で報酬を決める制度を推進

A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情

大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

コカ・コーラが広告会社の業務の価値で報酬を決める制度を推進

コカ・コーラ社が、パフォーマンスに基づいて広告会社への支払いを行う、価値ベースの報酬制度を標準的な慣行として推進していくと、4月20日に開催された広告主協会の財務経営カンファレンスの席上で発表した。この報酬制度は、広告に効果が認められなければ、広告会社に実費以上の支払いを行わず、代わりに目標を達成した場合は最大30%のフィーを認めるもの。「広告会社には利益を上げてほしいが、それは保証されるものではなく目標の達成を通じて得るものでなくてはならない」と、ワールドワイドで同社のメディア&コミュニケーションを管轄するサラ・アームストロング氏はいう。

コカ・コーラはこれまで、業務量に基づいて支払いを行うフィー制度を採用していたが、昨年、5つの市場(オーストラリア、中国、ドイツ、英国、フィリピン)で価値ベースの報酬制度への転換を行った。今年はさらに対象市場を少なくとも35にまで拡大し、2011年までにすべての広告/メディア・エージェンシーに適用する予定だ。コカ・コーラと取引のある複数の広告会社の役員は非公式に、新制度の背景にある考え方には反対しないが、実際にどのように適用するのかが問題だと懸念を表明している。「価値の増大に応じて請求金額が増えるのは良いが、やっかいなのはどうやって価値を評価するかだ」と、新制度への移行を終えていないある広告会社のトップは述べた。

これまで、業務の価値を計測するのは広告会社の役割で、目標を達成するために費やす人の数や作業時間を自己申告することによってそれを行ってきた。コカ・コーラの新制度では広告主側が、設定された任務の戦略的な重要性やその他の要素、達成のために投入される人材の量、あるいは他の広告会社でも達成可能な任務か、といった観点をもとに価値を決定する。ひとたび価値が決定されると、広告会社の業務遂行状態とそれによって広告主の業績がどう変化したかによって、広告会社への支払金額が決められる。目標を完全に達成できれば、広告会社は最大で経費の30%にあたるフィーを手にできる。逆に全く目標を達成できなければ、広告会社が請求できるのは経費だけで、利益はゼロになる。

カンファレンスでのアームストロング氏の発表に、他の広告主たちは沸き立った。アンハウザー・ブッシュ社(Anheuser-Busch)のマーケティング担当バイス・プレジデント、キース・レビー氏(Keith Levy)もそのひとりだが、彼は「広告会社がどれだけ努力を傾けようとそれと価値とは別物だというコカ・コーラの主張には賛成だが、目標達成に向けて時間を使い努力をするのは事実なのだから…」とも言う。

この不況下で、広告会社と値下げ交渉をする広告主は多い。しかし、報酬制度の変更は経費節減とは関係ないと、アームストロング氏はいう。とはいっても、コスト削減はコカ・コーラ社の大命題のひとつとなっている。同社は2011年までに、年間400万~500万ドルのコストカットを実現することを掲げており、その大きな標的になっているのがマーケティング予算だ。広告会社利用の最適化も課題になっている。同社は過去18ヶ月間に、取引先広告会社の数を半分以下に減らした。にもかかわらず、同社は昨年、全世界で前年を200万ドル上回る30億ドルもの宣伝予算を投じている。

コカ・コーラの新報酬制度は、理論的には宣伝の質を予算規模に応じたものに高めるための良策といえるが、リスクが伴う。さんざん苦労をした挙句に利益がゼロになる危険性があることがわかっていて、広告会社が良い仕事をできるかどうかだ。アームストロング氏は、「広告会社は競争が厳しいことを理解しているから、何があろうと最高の仕事をするはず」と、意に介さない様子だが。

人材と時間を最大限に投入しても売上にならない可能性があるという状況は、広告会社にとっては大きなギャンブルだろう。特に、いまのような厳しい時期に、それを引き受けるだけの余裕が広告会社にあるのか。

先だって、オムニコム・グループ(Omnicom Group)の今年第1四半期の業績が発表されたが、純利益は昨年同期比で21%の落ち込みを記録した。売上もワールドワイドで見ると、昨年の32億ドルから27億ドルへ14%減少した。米国内に限ると、売上は16億ドルから15億ドルへ8%減。米国外では15億ドルから12億ドルへ20%減と大幅に下落した。他の広告グループの業績はまだ発表されていないが、景気後退の影響は明らかだろう。

◆情報ソース
Coke Pushes Pay-for-Performance Model (Advertising Age)
Omnicom First-Quarter Net Income Falls 21% (Advertising Age)

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://buginear.blog10.fc2.com/tb.php/126-f2839eb7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コカ・コーラが広告会社にパフォーマンス制を推進

コカ・コーラ社が、パフォーマンスに基づいて広告会社への支払いを行う、価値ベースの...

  • 2009/04/30(木) 17:21:51 |
  • 国内外のマーケティング、広告、クリエイティブ、Webサービスの情報を発信/SEM Analytics

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。