A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 雑誌のデジタル版は部数対策のためのものか

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雑誌のデジタル版は部数対策のためのものか

雑誌のデジタル版(プリント版とほぼ同じレイアウトで、専用のアプリケーションを使ってPCなどの端末上でダウンロードして読めるもの)の購読数が、少しずつではあるが増えている。2007年の上半期には一般誌56誌で定期購読者の総計が50万に満たなかったのが、2008年末には、デジタル版を発行する雑誌も110に増え、購読者も100万人近くまでほぼ倍増したという。

雑誌発行部数の公査機関であるABC (Audit Bureau of Circulations)は昨年3月、部数査定のルールを変更し、もとの雑誌(プリント版)と体裁がほぼ同じものであればデジタル版もカウントするようになった(ウエブ上で公開されているコンテンツは対象にならない)。つまり、出版社はデジタル版の発行数も加えた数字を、雑誌の発行部数として発表できるようになった。これは、雑誌販売部数が減少傾向にある出版社にとっては朗報だ。

例えば、ハースト・マガジン(Hearst Magazine)社の発行する『コスモポリタン』(Cosmopolitan)は、デジタル版の発行部数(昨年下半期の平均)が99,012だった(そのほとんどは、スポンサー付きか、あるいは単に無料で読者に提供されている)。同誌のレートベース(保証部数)は290万部だが、ABCが認めた昨年下半期の発行部数は、この保証部数を26,683部上回っている。ということは、デジタル版を含めなければ、同誌はレートベースを72,329部割り込んでいたことになる。

広告会社やメディア・エージェンシーは、デジタル版を発行部数に含めること(=広告媒体としてカウントすること)に否定的だ。電通アメリカのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼メディア・ディレクターのスコット・デイリー(Scott Daly)氏は、「デジタル版には何の価値も認められない。デジタル版を発行部数に含めている雑誌は、その分、広告料金をディスカウントしてもらう」と述べている。

読者が求めているものへの答えとしてデジタル版を発行するのならわかるが、広告売上を損なわないためのその場しのぎの対策としてデジタル版読者の拡大を図っているのだとしたら、先行きは決して明るくないだろう。出版社の苦しい台所事情はわかるのだけど…。

◆情報ソース
Buyers Wary of Electronic Subs Counted Into Circ Stats (Mediaweek)
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