A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 有力ビジネス誌の広告売上が危機的状況に

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有力ビジネス誌の広告売上が危機的状況に

前回(7月15日)のエントリーで、不振が目立つ雑誌カテゴリーとしてビジネス誌をあげたが、その代表格である『ビジネスウィーク(Business Week)』、『フォーブス(Forbes)』、『フォーチュン(Fortune)』は広告売上の落ち込みが深刻だと、『アドバタイジング・エイジ(Advertising Age)』が伝えている。

3誌の今年上半期(1‐6月期)の広告集稿ページ数は合計で2,204ページで、10年前の1999の上半期(6,193ページ)と比べると64%も落ち込んでいる。前回のエントリーで書いたように、雑誌広告の減少幅は昨年から四半期ごとに拡大しており、すぐに底を打ちそうな状況ではない。

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ビジネス誌の状況がどれほど深刻化というと、例えば『ビジネスウィーク』は、発行元のマグローヒル社(McGraw-Hill Cos.)が売却を検討していると伝えられている。しかも売却価格はたったの1ドルだとか無償譲渡するのではないかと言われている。

昨年末、プライベート・エクイティ企業のオープン・ゲイト・キャピタル(OpenGate Capital)はマクロビジョン・ソリューションズ社(Macrovision Solutions)が売りに出していたテレビ番組ガイド誌『TV Guide』を1ドルで買い取り、およそ900万ドルの負債を肩代わりした。これとまったく同じ取引を、マグローヒルは目論んでいるようだ。『ビジネスウィーク』は昨年、4200万ドルの赤字を計上したと伝えられている。

マグローヒル社は昨年、21,000名の従業員のうち1,045名を削減した。その中には傘下の格付け会社スタンダード&プアーズ(Standard & Poor’s)や顧客満足度調査で知られるJDパワー(J.D. Power)のスタッフに加えて、『ビジネスウィーク』のスタッフも相当数含まれていると言われている。今回の売却は、コストカットに苦しむマグローヒル社が、『ビジネスウィーク』の不振を支え切れなくなったということなのだろう。

『フォーチュン』も『ビジネスウィーク』ほどではないにしても、6月22日号までの広告集稿ページは昨年同期比でマイナス39%と、深刻な状況に変わりはない。同誌の編集主幹ジョン・ヒューイ(John Huey)は内外のエキスパートによる緊急対策チームを結成し、誌面の改訂に乗り出した。しかし同誌は編集長アンディ・サーワー(Andy Serwer)の下で、2年足らず前に大幅なリニューアルを行ったばかりだ。サーワー編集長も緊急対策チームの会合に席を並べているというが、内心穏やかではないだろう。

『フォーブス』は本誌ではないが、Forbes.comの最高責任者ジム・スパンフェラー(Jim Spanfeller)が退任し、旧来型メディアのウエブ事業を立て直すメディア・マネージメントの会社を起業すると、『アドバタイジング・エイジ』が伝えている。同紙とのインタビューでスパンフェラー氏は、Forbes.comのマネタイズはうまく進んでいないと明かしている。フォーブス社は2006年、自社の株式の40%をベンチャー・キャピタル企業のエレベーション・パートナーズ(Elevation Partners)に売却したが、マネタイズの遅れに対して同社から圧力があったわけではないと、スパンフェラー氏は答えている。

ビジネス誌の広告売上がここまで落ち込んだ原因を、『アドバタイジング・エイジ』は、広告主が雑誌よりも効率的に、直接ターゲットである消費者にアプローチできる方法を手に入れた結果だと分析しているが、果たして事はそれほど単純なのか。ビジネス誌の主要なターゲットは企業の経営者や意思決定者と投資家だ。投資家対策のメディアが雑誌からウエブにシフトしている可能性は確かにある。また、ここのところ広告主が企業広告やブランド構築よりも売上拡大に直接結びつく施策に予算をシフトする傾向にあるとも聞いている。こうした変化が複合的にビジネス誌の不振をもたらしているのか。それは景気が好転した後も続くのか。引き続き情報収集に努めたい。

◆情報ソース
A Decade of Evaporating Ad Pages for BusinessWeek, Forbes, Fortune (Advertising Age)
McGraw-Hill might 'give away' Business Week for nominal $1 (Financial Times)
McGraw-Hill Considering All 'Options' for BusinessWeek (MediaWeek)
HUEY: NEW FORTUNE TELLER (New York Post)
Forbes.com CEO Jim Spanfeller Leaving to Start Own Firm (Advertising Age)
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