A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 雑誌広告が完全復活する日は来ない?

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大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

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雑誌広告が完全復活する日は来ない?

7月15日のエントリーで、雑誌広告の落ち込みが深刻で、このままいけば世界大恐慌以来最大の落ち幅を記録することになると書いた。そうなる可能性は、ますます高まっている。

『アドバタイジング・エイジ』(Advertising Age)が伝えるところによると、月刊誌の8月発売号の広告集稿ページ数は前年同月比22%減で、『ティーン・ヴォーグ』(Teen Vogue)や『ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー』(National Geographic Traveler)のように落ち幅が40%を越した雑誌も珍しくない。

9月発売号は、女性誌が秋冬のニューモデルや新製品を一斉に掲載する号で、出版社にとっても広告主にとってももっとも重要な号だが、春よりも状況が悪化している雑誌が多い。例えば、『ヴォーグ』(Vogue)は昨年、9月号だけで年間の23%にあたる673.89ページの広告を掲載したが、今年は37%減の427ページにとどまっている。同誌の、同じくファッション誌の稼ぎ頭である3月号は前年比25%減だった。ハースト(Hearst)の代表的ファッション誌『ハーパース・バザー』(Harper’s Bazaar)の9月発売号も3月(15%減)よりも悪化して23~26%減となる見通しだ。アシェット・フィリパッキ(Hachette Filipacchi)の『エル』(ELLE)の9月発売号は、3月(28%減)よりは改善したものの、それでも21%減と近年にない落ち込みを見せている。

このような広告の不振を出版社の多くは、不況がもたらした一時的なものと説明しているが、そう考えていない関係者は多い。『アドバタイジング・エイジ』の取材に答えて、大手メディア・エージェンシー、メディアエッジ:CIA(Mediaedge:cia)の北米担当CEO、リー・ドイル氏(Lee Doyle)は、「広告予算は雑誌以外のメディアにシフトしている。(いまの状態は)この根本的な変化を不況が加速させているにすぎない」と説明している。メディアヴェスト(MediaVest)の顧客サービス担当プレジデント、グレッグ・ウォレン氏(Greg Warren)も「雑誌広告が2007年以前の水準に戻るとは思わない」と語っている。

『アドバタイジング・エイジ』によると、いま雑誌が直面している危機は、読者の減少がもたらしたものではない。調査会社メディアマーク・リサーチ&インテリジェンス(Mediamark Research & Intelligence)の最新の調査によると、米国の成人1億8900万人以上が過去1ヶ月間に雑誌を読んでおり、しかも雑誌広告は、ネット、ラジオ、テレビの広告・CMよりも信頼性が高いという結果が出たという。それでは何が問題なのか。雑誌に限らず、オーディエンス(読者)さえ獲得できれば広告は後から付いてくるという考え方が、危険であり陳腐化しているというのだ。

広告主企業は近年、以前よりもはるかに低コストで顧客あるいは見込み顧客にアクセスできる手段を手に入れた。加えて、広告主企業は効果測定をますます重視するようになっており、オンディマンド志向の高まりとともに測定結果を早く知りたいという欲求が顕著になっている。Forbes.comのCEOの職を間もなく辞するジム・スパンフェラー氏(Jim Spanfeller)は、「デジタルメディアの出現によって、即効的なアカウンタビリティが求められるようになった。雑誌媒体はもはや機能しないというのではなく、効果測定が困難な点が問題なのだ。雑誌の発行頻度にもよるが、読者の反応が得られるまで6週間~3カ月かかる。それを広告主は待ちきれなくなっている」と指摘する。

雑誌社は誌面の広告以外に収入源を確立すべきだという意見もある。ロデール社(Rodale)の男性向け健康情報誌『メンズ・ヘルス』(Men’s Health)が発表したiPhone向け有料アプリはその一例だろう。タイム社(Time Inc.)のスポーツ誌『スポーツ・イラストレイテッド』(Sports Illustrated)も、同誌の名物企画「水着特集」をiPhoneアプリとして2.99ドルで売り出し、1日で有料ライフスタイルカテゴリーの1位になった。

雑誌のブランド、コンテンツ、読者とデジタルをいかに融合させるかが不況脱出後の命運を握る鍵だというのが、『アドバタイジング・エイジ』の結論のようだ。

◆情報ソース
Publishers Fret Over September Issues (Advertising Age)
Fashion Mags Won't Have Their Usual Big September (Silicon Alley Insider)
Conde Nast September Monthlies Lose 1,680 Ad Pages (The New York Observer)
Why Ad Pages Won't Ever Fully Return to Mags (Advertising Age)
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