A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 米雑誌協会が媒体評価の新指標を提案

A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情

大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

米雑誌協会が媒体評価の新指標を提案

米国雑誌協会(Magazine Publishers of America: MPA)は今週、雑誌の部数ではなく、総読者数と閲読状況をもとにした新たな媒体効果測定方法を開発する計画を発表した。測定の対象となるのは、
●雑誌の号ごとの媒体接触状況と、年齢、性別、収入、人種、家族構成などのデモグラフィクス
●号ごとの広告関与状況調査
●広告の結果もたらされた消費者行動
などの分野。

この新調査の当面の目的は、主要200誌の号ごとの媒体接触状況、広告関与、広告による消費者行動を週刊誌の場合は発売後6~8週間、月刊誌の場合は発売後8~12週間で明らかにすることにある。その後、対象誌発売から計測までの期間を短縮するために予測モデルを開発し、対象誌を拡大するために計測方法のバリエーションも増やすとのこと。

この発表が物議をかもしている。雑誌出版社が発行部数ではなく、回読者も含めた総読者数(および読者の特性)を媒体評価の指標とする姿勢を明らかにしたからだ。ニューススタンドで雑誌を購入した人や定期購読者だけではなく、その雑誌を回し読みした友人や家族、あるいは美容室や病院の待合室でたまたま雑誌を開いた人も読者とみなし媒体評価のベース=広告料金の根拠とするということだ。

もっとも、こうした動きは今に始まったことではない。『TIME』は2006年11月に、レートベース(最低保証部数)を400万部から325万部に減らし、この新レートベースあるいは総読者数(1号当たり1950万人)を広告料金の根拠として2007年1月から適用すると発表した(総読者数は、市場調査会社MRI: Mediamark Research Inc.の統計を基に算出)。

『アドバタイジング・エイジ』は、このような動きに対する広告会社やメディア・エージェンシーの反応を伝えているが賛否両論だ。「出版社は、通りすがりの人(2次読者)への露出に対しても料金を払わなければならない根拠を明示すべきだ。雑誌が売れなくなっていることから目を逸らさせようとしているだけではないか」という厳しい意見もあれば、「テレビやインターネットなどの他メディアがオーディエンス数(雑誌で言えば総読者数)を根拠としているのだから、雑誌も同じ基準を採用すべきだ」という声もある。中には、「いかに媒体が優れていても掲載広告の質が悪ければ良い結果は得られないのだから、クリエイティヴに関心を向けるべきだ」という意見まで紹介されている。

その上で『アドバタイジング・エイジ』は、宣伝担当者は売らなくてはならないというプレッシャーの中でより多くの質の高いデータを雑誌社に求め続け、雑誌社は高騰するコストと激化する競争のプレッシャーの中で広告主の求めに応じなくてはならないから、簡単には解決策にたどりつかないだろうとの見方を披露して記事を締めくくっている。

この締めくくり方は一見すると無責任なようだが、日本の実情を照らし合わせてみても、他に書きようがないのかな、とも思う。米国での動きがどのような結果に収斂していくのであれ、こうした議論を関係者間でオープンに積み重ねていけるのは健全なことなのだろう。■

◆情報ソース
2008 Measurement Initiative Announcement (MPA)
Magazine Publishers Push for Total Audience Metric (Advertising Age)
Time Mag: Buy by Audience or by Slashed Rate Base (Media Week)






スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://buginear.blog10.fc2.com/tb.php/16-e5039983
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。