A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 雑誌社とiPadの距離

A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情

大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

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雑誌社とiPadの距離

ネクスト・イシュー・メディア(Next Issue Media)は来年第1四半期中に、デジタル・ニューススタンドをオープンさせる予定だ。当面は同社の立ち上げメンバーであるコンデナスト(Condé Nast)、ハースト(Hearst)、メレディス(Meredith)、ニューズ(News Corp)およびタイム(Time Inc.)の雑誌(紙とデジタルの両方)を販売し、徐々に他社の出版物も追加していくとのこと。

出版社にとって、このニューススタンドを通して販売する最大のメリットは、読者情報へのアクセスが許されることだろう。読者情報がなければ、年間予約購読などのダイレクトマーケティングも広告主に読者プロフィールを提示することもできない。

アップルはいまだに読者情報へのアクセスを認めていない。したがって、ネクスト・イシュー・メディアがデジタル・ニューススタンドでiPad向けに雑誌のデジタル版を販売する見通しは立っていない。いまのところは、アンドロイド端末を念頭に準備を進めているのだと言う。ゆくゆくはiPadをはじめすべての端末やウエブOSにも対応していくとのことだが、その前途は厳しそうだ。(とはいっても、タイム社はiPad向け『スポーツ・イラストレイテッド』(Sports Illustrated)を、コンデナストはiPad向け『ワイアード』(Wired)を発売しており、全方位外交を展開している。)

一方、iPadにご執心なのがニューズ社のルパート・マードック会長(Rupert Murdoch)とヴァージン・グループ(Virgin Group)のリチャード・ブランソン会長(Richard Branson)だ。

ニューズ社はマードック会長の号令のもと、iPad専用の日刊新聞『ザ・デイリー』(The Daily)を今月創刊させるために社内外から多くのスタッフやジャーナリスト、評論家を起用し、準備を進めている。ブランソン会長肝いりのiPad専用雑誌『プロジェクト』(Project)は、創刊号がすでにiPad App Storeで販売されており(定価は$2.99)、iPadの情報サイトに紹介記事が掲載されている。

この創刊に先立って11月30日に開かれた記者会見でブランソン会長は、同誌の収入源は販売収入と広告収入であること、創刊号の広告主はレクサス、アメリカン・エクスプレス、フォード、クローネンバーグであること、いまはiPad専用に設計されiPadでしか読むことができないが他のタブレット端末向けの発行も可能性があることを発表した。

◆情報ソース
Next Issue Newsstand to Launch With Limited Offerings (Mediaweek)
News Corp. Tablet Daily Staffs Up (Mediaweek)
Branson's Project vs. Murdoch's Daily (Mediaweek)
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