世界新聞協会(the World Association of Newspapers: WAN)内に設けられた、編集者のネットワークWorld Editors Forumはロイターと共同で毎年、世界の新聞社の編集責任者を対象に新聞の将来像に関する調査「Newsroom Barometer」を行っている。今年3月に行われた調査は、World Editors Forumのデータベースに登録された編集長およそ7000名にメールで回答依頼を送り、オンラインで実施された。約120カ国から713名の回答があった(調査を担当したのはZogby International)。以下はその結果の抜粋。
●86%は、今後5年以内に、プリントとオンラインの両方に対応した複合型の編集室が標準になっていくと考えている(北米の回答者に限定すると95%)。また84%が、今後5年以内にジャーナリストは、すべてのメディアに向けてコンテンツを提供できる能力が求められるようになると考えている(北米の回答者に限定すると91%)。
●44%もの回答者が、ニュースのプラットフォームはオンラインになるだろうと答えている。(プリント版と回答した人は31%、携帯が12%、電子新聞が7%)。
●編集の質を高めるための最優先課題は、ニューメディアに対応できるようジャーナリストを教育することだと答えた人が35%。より多くのジャーナリストを採用することがと答えた人が31%だった。
●回答者の過半数―56%―は、ニュースは将来、無料化されるだろうと考えている(昨年の調査では48%だった)。現在のまま有料で提供されると考えているのは、回答者の3分の1に過ぎなかった。
●今後、ジャーナリズムの質は向上すると考えている編集者はわずか45%、逆に劣化すると考えている編集者は28%だった。
●3分の2は今後、opinion(意見)とanalysis(分析)のページの重要性が増すと考えている。
●新聞の未来にとって最大の脅威は、若年層の読者の減少だと答えた人が58%だった。
この調査の回答者の48%が編集長(editor-in-chief)、18%が編集主幹(managing editor)と、7割近くが編集のトップであることを考えると、ジャーナリズムの質は向上すると考えている人が半数以下という結果はなんともお寒い。また、56%がニュースは無料になると考えているとのことだが、その収益を補うビジネスモデルはどの新聞社でも確立できていない。新聞の未来にとって最大の脅威は、若い読者の減少ではなく、こうした現状によって有能な人材の流出が進むことなのではないだろうか。
◆情報ソース・参考資料
Newsroom Barometer 2008 (Editors weblog - World Editors Forum)
ニュースの送り手はいなくなるのか (A Bug in Your Ear)




