A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 米新聞社のオンライン広告に陰り

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大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

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米新聞社のオンライン広告に陰り

販売部数の低下、広告の減少、その結果余儀なくされた人員削減と、このところまったく良い所なしの米新聞業界にとって、頼みの綱だったオンライン広告の伸びが陰りを見せ始めた。頼みの綱とは言っても、オンライン広告は単価が安いため、部数低下や印刷版の広告の落ち込みをカバーできる水準にはほど遠い状況なのだが、それでも成長を続けるオンライン広告が唯一の明るい兆しであったのは確かだろう。

New York Times社が発表した7月の業績によると、同社のニュース・メディア・グループの広告売上は前年同月比17.9%減だった(同社のプレスリリースでは、その主な原因は印刷版の広告の落ち込みであると説明されている)。それよりも同社にとってショッキングだったのは、インターネット広告売上の成長率が1%に満たなかったことだ。

St. Louis Post-Dispatchなど、米中西部を対象とした新聞を発行するLee Enterprisesは、今年4-6月期のオンライン広告売上が前年同期比で9.1%減少した。同社はその要因を、主要カテゴリーで紙(印刷版)とオンライン両方の広告出稿額が落ち込んだためと分析している。

Tribune Co.は、4-6月期のオンライン広告売上が前年同期比4%減だった。同社の経営陣によると、Los Angeles Times、South Florida Sun-Sentinel、Orlando Sentinelといった同社の新聞が、カリフォルニア・フロリダ両州の景気の悪化と、自動車および不動産分野の広告減の影響を受けているためだという。

E.W.Scrippsが発行するRocky Mountain News、Memphis Commercial-Appealなどの新聞のオンライン広告は、同じく4-6月期で8%落ち込んだ。同社の役員Mark Contrenasによると、同社のオンライン広告は印刷版広告と関連しているものが68%と多く、その影響を受けて減少しているのだという。オンライン広告のみを出稿している広告主に限れば、同期の売上高は26%増だった。

E.W.Scripps社の説明のとおり、新聞社のオンライン広告の不調は、印刷版広告との抱き合わせ販売が一因となっているといえる。その証拠に30以上の日刊紙を発行する全米第2の新聞社McClatchy Co.の広告売上は、4-6月期で前年同期比12%以上の成長を見せた。同社のCEO、Gary Pruittが投資アナリストに語ったところによると、この成功の秘訣のひとつは、オンライン広告を印刷版から切り離したことだ。2006年末時点で、同社のオンライン広告売上の70%は、印刷版広告のアップセル(ある商品の付加価値/グレードアップ商品として他の商品を販売すること)、あるいは印刷版広告とのパッケージで販売したものだった。しかし現在は、印刷版広告主による売上は、ウエブ事業全体の50%まで下がっている。オンライン広告を主に利用する広告主の獲得に成功したからだ。

他の新聞社がMcClatchyに学ぶべき点は多いだろう。しかしいまは、景気後退による主要カテゴリーの広告投資額の落ち込みが事態をさらに深刻にしている。新聞業界を30年以上にわたり見てきた、Benchmark Co.のメディアアナリストEd Atorinoが「史上もっとも悲惨な状態」と呼ぶ新聞業界の冬の時代は、まだまだ続きそうだ。

◆情報ソース
Uh-oh, Where Did Those Newspaper Web Ads Go? (Advertising Age)
New York Times Shocker: Online Ad Growth Stalls (Advertising Age)
The New York Times Company Press Release




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