A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 エスクァイア75周年記念号は表紙が電子ディスプレイに

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エスクァイア75周年記念号は表紙が電子ディスプレイに

Esquire anniv issue

米『エスクァイア(Esquire)』誌の創刊75周年記念号となる10月号は、表紙のタイトルが電光掲示板のように光る。百聞は一見に如かず。すでにYouTubeには、その様子を映したいくつもの動画がアップロードされている。



この記念すべき表紙を実現したのはE Inkという企業の技術で、Amazonの電子書籍リーダーKindleにも使われている。E Inkが最初に、『エスクァイア』にデモンストレーションを行ったのは7年程前のことだったが、当時は店頭ディスプレイ用の技術で雑誌に組み込むことは不可能だった。しかし2年前、『エスクァイア』を発行するハースト(Hearst)社が表紙に組み込めるほどの小型で薄い電池の開発資金を負担するという条件付きで、光る表紙は実現に向けて動き出した。

下の写真はディスプレイと、表紙に挟み込まれている電子基板。丸いのはリチウム電子。

Esquire e-ink cover inside

これらは中国で製造・アセンブルされた。それがどのような過程を経て読者の手に渡ったかが、『エスクァイア』のウエブサイトで説明されている。それによると、電池の寿命は90日間しかないので、消耗を遅らせるために輸送はすべて冷凍状態で行われたらしい。完成品となったディスプレイと電子基板はまず、テキサス州ダラスに到着し、それからメキシコに運ばれて手作業で表紙の紙に挟み込まれた。できあがった表紙は再び冷凍車でケンタッキー州にある印刷所に運び込まれ、この表紙のために特別に作られた装置で本誌部分と製本され、全米の書店に向けて送り出された。

当然のことながら、この表紙の開発・製作には膨大な費用がかかっている。ハースト社は金額を明らかにしていないが、その一部をスポンサーとなったフォードが負担した。75周年号の表紙を開くと、同じ技術を使った同社の新SUV、Flexの広告が現れる。



この電子ディスプレイ表紙の効果もあって、『エスクァイア』75周年号は、10月号としては同誌創刊以来の広告を集めた。ラルフ ローレン、ドルチェ&ガッバーナ、グッチ、エルメネジルド ゼニア、H&M、ヴェルサーチ、サルヴァトーレ フェラガモなど、Advertising Ageの表現を借りると「山ほどの」ファッション・ブランドに加え、マツダ、サーブ、日産などフォード以外の自動車メーカーも出稿。表4にはメルセデス・ベンツの広告が掲載されている。

製作費が原因なのだろうが、表紙が電子ディスプレイになっている特別仕様の『エスクァイア』は、書店・ニューススタンドで販売される10万部に限られている(同誌の総発行部数は約72万部)。ハースト社は、このE Ink社の技術を2009年末まで独占的に使用する契約を結んでいるようだ。同誌のDavid Granger編集長は、来年前半にも次なるE Inkプロジェクトを実現したい意向とのこと。

◆情報ソース
Esquire Unveils E-Ink Digital Cover (Advertising Age)
News Flash From the Cover of Esquire: Paper Magazines Can Be High Tech, Too (New York Times)
How the E-Ink Cover Was Made (Esquire.com)



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