とはいえ、実売部数、あるいはレートベースが下がれば、広告掲載条件を決める上で不利になるのはまちがいない。雑誌出版社が部数を維持・拡大するために、予約購読料金を大幅にディスカウントしたり、美容室、病院、空港の待合室などの公共の場所に格安の売値で、あるいは無料で雑誌をばらまいたりするのはそのためだ(こうして配布された雑誌もABCの実売部数としてカウントされる)。一方で、部数を維持するには、紙・印刷代や配送費用などのコストがかかる。格安・無料で流通する雑誌が増えればそれだけ、出版社の財政を圧迫することになる。
ボニエル社(Bonner Corporation)は来年2月から、『アウトドア・ライフ(Outdoor Life)』誌の保証部数を13.5%引き下げると発表した。部数維持のために費やしていた費用を、誌面やウエブサイトの改良、広告主へのサービスなどに振り分けるためだ。ボニエル社によると、同誌の部数の10%は予約購読を継続しない、熱心でない読者=広告主にとっても見込みのない読者に読まれているという。つまり、部数が下がっても広告媒体としての価値は維持できるという理屈だが、同社にはこれから、読者の質の高さを証明し、広告主に納得してもらうという大仕事が残されている。

逆にレートベースを増やす雑誌もある。コンデナスト社(Condé Nast)は来年から、男性誌『ディテールズ(DETAILS)』のレートベースを425,000部から450,000部に引き上げる。同誌の実売部数は458,000部を維持しており、3万部を超すボーナス・サーキュレーションを提供してきたとのこと。ディズニー・パブリッシング(Disney Publishing)も子育て誌『ファミリー・ファン(Family Fun)』のレートベースを、5%増の210万部とする。同誌の部数は来年も成長が見込まれるため、不況期にあるいまこそ広告セールスのシェアを拡大し、景気回復期までに確固たるポジションを確立するのが狙いだと、同社のヴァイス・プレジデント、Aparna Pandeは説明している。
◆情報ソース
Magazines Weigh How to Manage Circulation (Advertising Age)




