A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情 雑誌

A BUG IN YOUR EAR アメリカの広告・メディア事情

大きな変革期にあるメディア業界、広告業界のこれからを考えるヒントになりそうな、アメリカの業界動向を紹介します。

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『GQ』が男性向けEコマースサイトと提携

米男性ファッション誌『GQ』は、ギルト・グループ(Gilt Groupe Inc.)が設立する男性向けECサイト「PARK & BOND」との提携を発表した。今夏、『GQ』のウエブサイト内に「PARK & BOND」のブティックを開設し、同誌に掲載された商品の中から編集者が選んだものを販売する。

ギルト・グループは招待性ファミリーセールサイトを運営する企業だが、「PARK & BOND」では基本的に定価で商品を販売するという。GQ内のブティックではAlexander McQueen、ETRO、Paul Smithなど80以上のメンズブランドを取り扱い、代金決済や商品発送は「PARK & BOND」が担当する。

これより早く、昨年11月には、大手百貨店チェーンのJCペニー(J.C. Penney)がハースト・マガジン(Hearst Magazine)と提携し、2つのEコマースサイト「CLAD」と「Gifting Grace」を立ち上げると発表した。この提携では、例えばハーストの男性誌『エスクワイア』(Esquire)の編集者が「CLAD」で販売する商品のキュレーターをつとめ、同誌のサイトともリンクするという。

販売・広告ビジネスで苦戦する雑誌の、マルチプラットフォーム化や異業種とのクロスプラットフォーム展開が進んでいる。

◆情報ソース
GQ GOES E-TAIL (WWD)

ラガルデール雑誌部門売却交渉は大詰めに

仏ラガルデール社(Lagardère SCA)の海外雑誌部門売却交渉が大詰めを迎えている。売却先を米ハースト(Hearst Corp.)一社に絞り、1月30日を期限に条件を詰めていることを両社が認めた。

ハースト社のデイビッド・ケイリー(David Carey)社長は1月3日に従業員向けに出したアナウンスメントで、ラガルデールのフランスを除く全世界102の雑誌と50のウエブサイトを買収する独占的交渉を行っていると明言し、「それは我々が、いかに雑誌メディア(印刷メディアだけではなく将来の様々な形態も含む)とそのコンテンツの価値を信じているかの表れだ」と述べた。

アドバタイジング・エイジ誌(Advertising Age)はこの件に関して、ラガルデール傘下の出版社アシェット・フィリパッキ(Hachette Filipacchi)の元経営首脳ディディエ・ゲラン(Didier Guerin)に取材。買収が成立すればハーストは競争力を増し、コンデナスト(Conde Nast)にとって脅威となるだろうが、組織レベルでは社内に根付いたフランス流の企業文化をアメリカ流に転換していかなくてはならず、デリケートで複雑な作業になるだろうとの見方を紹介している。

◆情報ソース
Hearst, Lagardère Confirm Sales Talks (Mediaweek)
Buying Elle Would Help Hearst but Create Tensions Too (Advertising Age)

ラガルデールが海外雑誌ビジネスを売却か

『エル』(ELLE)、『カー・アンド・ドライバー』(Car and Driver)などの世界的な雑誌ブランドを持つ仏ラガルデール社(Lagardère SCA)は12月1日、フランス以外の国で展開している雑誌ビジネスの売却を検討していることを明らかにした。広報の発表をそのまま訳すと「他社との提携、ジョイント・ベンチャー、売却などあらゆる可能性を念頭に非公式な交渉を行っている」ということだが、同社の希望は「売却」であると考えてまちがいないだろう。(ただし、ラガルデールは雑誌を手放すにしても『エル』の編集上のコントロールは保持する意向。)

同社傘下のラガルデール・アクティブ(Lagardère Active)は、雑誌出版、ラジオ、テレビ、デジタル事業などからなるメディア・コングロマリットで、フランス以外では42カ国で200タイトル以上の雑誌を発行している。今年10月には『エル』(ELLE)ベトナム版を創刊したばかり。日本のアシェット婦人画報社や米国のアシェット・フィリパッキ・メディアの親会社である。

米国ではだいぶ以前から、アシェットが一部の雑誌あるいは会社を丸ごと売却するのではないかとの噂が囁かれていた。そのときに、常に買い手の一番手として名前があげられるのがハースト(Hearst Corp.)だった。同社とアシェットはマリ・クレール(Marie Claire)をジョイント・ベンチャーで発行する関係にあり、これに『エル』と『エル・デコ』(Elle Décor)を加える相談もあったようだ。今回もハーストは交渉相手の筆頭と目されている。ラガルデールが同社に5億ドル以上の売却金額を提示したとの報道(ニューヨーク・ポスト)もある。

アシェットもご多聞にもれず、リーマンショック以降の不況のあおりを受け、業績が低迷していた。デジタル関連事業のテコ入れもうまくいかず、一昨年ラガルデール・アクティブから送り込まれたAlain Lemarchandが今年9月、CEOの職から退き、ソース・インターリンク(Source Interlink)の元CEO、Steve Parrが就任したばかり。とはいっても、広告ビジネスが上向きになっている雑誌もある。例えばPIBの統計で今年1~9月の広告集稿ページを昨年同期と比較すると、『エル』が8.9%増の1,548ページ、『カー・アンド・ドライバー』が4%増の608ページだった。それでも金食い虫の雑誌ビジネスでは利益の回復は見込めないとの判断なのか。

◆情報ソース
Lagardère May Sell Foreign Magazine Business (The Wall Street Journal)
Hearst hungry for French deal (New York Post)
Hearst May Buy Hachette Titles (MediaPost)
【“ラガルデールが海外雑誌ビジネスを売却か”の続きを読む】

雑誌社とiPadの距離

ネクスト・イシュー・メディア(Next Issue Media)は来年第1四半期中に、デジタル・ニューススタンドをオープンさせる予定だ。当面は同社の立ち上げメンバーであるコンデナスト(Condé Nast)、ハースト(Hearst)、メレディス(Meredith)、ニューズ(News Corp)およびタイム(Time Inc.)の雑誌(紙とデジタルの両方)を販売し、徐々に他社の出版物も追加していくとのこと。

出版社にとって、このニューススタンドを通して販売する最大のメリットは、読者情報へのアクセスが許されることだろう。読者情報がなければ、年間予約購読などのダイレクトマーケティングも広告主に読者プロフィールを提示することもできない。

アップルはいまだに読者情報へのアクセスを認めていない。したがって、ネクスト・イシュー・メディアがデジタル・ニューススタンドでiPad向けに雑誌のデジタル版を販売する見通しは立っていない。いまのところは、アンドロイド端末を念頭に準備を進めているのだと言う。ゆくゆくはiPadをはじめすべての端末やウエブOSにも対応していくとのことだが、その前途は厳しそうだ。(とはいっても、タイム社はiPad向け『スポーツ・イラストレイテッド』(Sports Illustrated)を、コンデナストはiPad向け『ワイアード』(Wired)を発売しており、全方位外交を展開している。)

一方、iPadにご執心なのがニューズ社のルパート・マードック会長(Rupert Murdoch)とヴァージン・グループ(Virgin Group)のリチャード・ブランソン会長(Richard Branson)だ。

ニューズ社はマードック会長の号令のもと、iPad専用の日刊新聞『ザ・デイリー』(The Daily)を今月創刊させるために社内外から多くのスタッフやジャーナリスト、評論家を起用し、準備を進めている。ブランソン会長肝いりのiPad専用雑誌『プロジェクト』(Project)は、創刊号がすでにiPad App Storeで販売されており(定価は$2.99)、iPadの情報サイトに紹介記事が掲載されている。

この創刊に先立って11月30日に開かれた記者会見でブランソン会長は、同誌の収入源は販売収入と広告収入であること、創刊号の広告主はレクサス、アメリカン・エクスプレス、フォード、クローネンバーグであること、いまはiPad専用に設計されiPadでしか読むことができないが他のタブレット端末向けの発行も可能性があることを発表した。

◆情報ソース
Next Issue Newsstand to Launch With Limited Offerings (Mediaweek)
News Corp. Tablet Daily Staffs Up (Mediaweek)
Branson's Project vs. Murdoch's Daily (Mediaweek)

年間予約購読をめぐって出版社とアップルが綱引き

タイム社(Time Inc.)は今年4月、6月ごろまでに同社が発行する雑誌の年間予約購読をiPadでできるようにする計画であると発表した。ところがその6月、タイム社が『スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)』の予約購読の販売を開始する直前になって、アップルはこれを拒絶しiTunesでの単号販売のみを行うよう要請したという。

タイム社は、雑誌データは予約購読者がiTunesからダウンロードし、購読料金は同社に直接支払う仕組みを考えていたようだ。アップルはすでに、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(Wall Street Journal)やアマゾン(Amazon)に、購読者への直接請求を許可している。All Things Digitalの報道によると、アップルはiPadの発売に先立ちタイム社に雑誌のデジタル版の開発を要請し、予約購読についても了解していたとのこと。

『スポーツ・イラストレイテッド』予約購読販売の拒絶は、出版界でちょっとした騒ぎになっている。予約購読契約を通じて出版社は、安定した売上(部数)ばかりでなく購読者の個人情報を得られるからだ。アップルは、出版社が利用者の個人情報を入手することに抵抗を感じたのかもしれない。あるいは、スティーブ・ジョブズがデジタル雑誌に大きな可能性を見出し、マーケットを牛耳る方針に転換したのか……。

ニューヨーク・ポスト(New York Post)によると、タイム社以外の出版社の多くは、iPad以外の端末(電子書籍リーダー)が市場に浸透して競争が厳しくなれば、アップルも姿勢を軟化せざるを得ないだろうと考えているようだ。そうなるまでには、しばらく時間がかかるだろうが……。

◆情報ソース
The iPad is Great But Remember―It’s Apple’s Way or the Highway (FOLIO)
Time Inc.’s iPad Problem Is Trouble for Every Magazine Publisher (All Things Digital)
Mag publishers, Apple in subscription app scrap (New York Post)
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